フジタジュンコ

ピンク・クラウドのフジタジュンコのレビュー・感想・評価

ピンク・クラウド(2021年製作の映画)
2.2
いやもう悲しいことに、フィクションは現実を超えられないのかもしれませんね。

本作を好意的に評価しているレビューを読むと、だいたい「コロナを予言している」ところに起因しているのですが、いやいや、むしろ、コロナ禍を体験してしまった我々にとっては陳腐すぎやしませんか?

ビフォアコロナの我々なら受け入れられていた世界だった気もするんですが、変にリアリティがあるせいで、「この世界のインフラを支えているやつらは誰やねん」「ピンクの雲が気体なら全員死んどるわ」と冷めてしまうし、「子供は二人ほしい!」とか言い出す主人公(だよね?)の男性をはじめ、登場人物が全員IQ2くらいなのもまたしんどくて、劇場で見なくてよかったなあとしみじみ思ったのでした。

フェミニズム的に解釈できるというのも新たな視点でそれ自体は面白いのですが、この作品をそう捉えるのはちょっとがっかりするというか、いやわれわれ女はこんなに馬鹿じゃないですよと言いたくなります。

ただ、全編ピンクがった色合いはめちゃくちゃ好みでした。