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DAU. String Theory(英題)のどど丼のレビュー・感想・評価

DAU. String Theory(英題)(2020年製作の映画)
3.7
DAUシリーズ。今作は研究所随一の不貞ヤリチンクズ学者、ニキータ・ネクラソフにスポットが当たった作品。「Brave People」「Nikita Tanya」とワンセットの話で、「Katya Tanya」の話も作中で踏まえているので色々とクロスオーバー忙しめ。

「Nikita Tanya」でもガッツリ描かれているけど、ニキータ氏は「この世界は多元宇宙(マルチバース)で出来ている」といった思想の大元である"ひも理論"をゴリ押ししています(最近のマーベル映画がやってるアレです)。そのひも理論をなぜか「不特定多数の女性との恋愛関係を正当化するため」に無理やり応用し、女性たちにその考えを受容させようと試みる話です。怪作です。3時間近くあるのに一つたりとも納得いかなかった笑。

そもそもひも理論→マルチバースって今の現実世界とは別に似たような世界がある……という考え方だと思ってたんだけど、ニキータさんは現実世界の中でこれを応用しようとしています。要は個々人の恋愛or性的関係は一つに限るものではない多元的なもの、だから一夫多妻(あるいはセフレが大量にいる状況)は正である、ということです。インテリに甘えて訳分からん主張を通そうとしてるけど、ウソつくのが多少巧いクソガキって感じで最早何周か回って面白い笑。(作中でも子供じみていると何度も言われてます笑)

今回はニキータのヘンテコ理論を肯定する人/否定する人の両方が登場するけど、同情を誘ってくるのはやっぱり否定派の方。結局、DAUで恋愛絡みの話はほぼ全てフェミニズムの文脈に沿ってるんですよね。個人的にはどちらの考えもあって良いと思うけど、その辺の価値観が合ってる人同士じゃないと成立させちゃダメだと思います。カーチャもゾーヤも不憫……。コニャックで女性を酔わせて行為に及ぼうとする常套手段、死ぬほどキモい(真顔)。
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