「心臓の前に脳が壊れる全ての人へ」
あのギャスパー・ノエがお得意の性やバイオレンスを封印した珍しい作品だ。
あと違法薬物も出てこない。
なので今までのギャスパーノエ作品とかなり異なる内容になっている。
本作のテーマである病や死はお年を召され助かる確率50%の大病に悩まされているノエ監督自身の体験を映画にしたいんだろうなというのが伝わってきた。
この2人でZoomしてるみたいな分割画面になる演出良い!
すれ違いカメラワークも面白いな。
撮影風景想像するとなんだか笑えてくる。
この映画は自分が病気になったり老人になってから観たほうがより感情移入出来て楽しめそうな映画だなと感じる。
人は何故老いるんだろうか…
犬や猫は年を取っても顔はそんな変わらないのにね(羨ましい)
老夫婦の生活を淡々と映し出している映画なので映画的な面白さには欠けるかもしれないが、実験的で新しい体験だった。
まるで介護士擬似体験映画。
認知症や心臓病ってマジで他人事じゃないから怖い。
毎回"人にお勧めしにくいけど妙に記憶に残る映画体験"というのがギャスパーノエ作品の真髄だと思う。