【記憶は曖昧で都合がいい】
ジャンル:倦怠夫婦モノ with 認知症
地元を離れ、両親二人の生活をさせている私にとって、とても心に来るものがある作品でした。本作の夫は、おそらく誰しも心当たりがありそうな都合のいい物言いで自身を擁護し、本作の妻は、誰もが他人事ではない いつかの自分を見せられている気分になります。そしてそれは、多かれ少なかれ両親の姿に重なる部分も見出せてしまい、二人はこんな不幸なすれ違いをしていないだろうか、寂しい思いをさせていないだろうかと不安になります。
とはいえ、それぞれの人生ですから、誰しも後悔の無いように生きていくしかありません。盆正月だけではなくて、もっと実家に顔を出そうと思わせる作品でした。