寒川

百花の寒川のレビュー・感想・評価

百花(2022年製作の映画)
2.9
展開が少ない上に間が長い。同じところを何回転もしてそこ?というところに着地する。映画のメッセージは自己救済的。介護のしんどいところを表面的に書いてはいるものの、あまり深くはタッチしない。主人公は途中からヘルパーさんや施設に母の世話のほとんどをお願いするため、介護の実態が隠蔽されている。したがって、例えば「介護生活の中での正と負の両面に折り合いをつけながら頑張り、その中で母親からの愛情を自覚して云々かんぬん…」等といった豊かな展開は望めない。介護を書くことが目的ではないはずのでそれはそうなのだが、主人公の母親への愛情を試すような試練が現れるという意味で、切り離せない要素であるように思える。全体的に要素数が少なく、引き伸ばされているような印象である。あとこれは完全にひがみだが、都会に住むハイクラスカップルが「我々は悪くない」と無自覚に受容して悦に入るような部分があり、まったく面白くない。彼女が義母に理解がありすぎるところも面白くない。菅田将暉はもっと辛い目にあってよい。
寒川

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