インドに実在した二人の英雄が、もしも出逢ったら…を描いた、幸せな「IF」が観られる。ラーマとビームの強い使命感と熱い友情、勧善懲悪、あり得ないド迫力アクションが3時間を短く感じさせてしまうほどの最高のエンタメ作品で、再度観たくなる脳内快楽物質が出てしまう。映像としても情報量が多いのだけれどとても見やすい。見返すほどに、豪快ながら緻密に見せ方が考えられている印象を受けた。
また、私は今まで少ししかインド映画を観ていないのだが、以前に観た時には歌や踊りの部分で退屈してしまった記憶がある。しかし本作では全く退屈しないどころか、そのシーンを繰り返し観たいと思ってしまった。以前に観たものと何か違いがあるのだろうか…踊りは現代的だしビームが唄う歌は直接的にストーリーに関連している…ような気がした。
また、実在の英雄だけでなく、ラーマーヤナやマハーバーラタといった神話とも絡めてあるそうで、それが彼らの不屈の精神や戦闘シーンでの超人的強さの表現を下支えしているようにも思えた。観る側、作る側双方が、「神話」だと思うと相当の無茶を心底納得できてしまう感じ。この「納得」が3時間という長丁場の高テンションをブレずに支えているように思った。
