むむ

メタモルフォーゼの縁側のむむのネタバレレビュー・内容・結末

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

私はかれこれ15年近くBL好きをやっているので、主人公のうららになんとなく感情移入しながら見ていました。私も学生の時はめちゃくちゃ隠してたな…。幼馴染の彼女みたいにクラスで目立つ子がなんの引け目もなくBLっていいんだよ~みたいなこと言ってしまうところに「ずるい」って感じてしまうところ、わかりすぎて苦しかった。
でもハタから見たら人気者で、なんでも出来て持っててずるく見える人も、何かを捨てて頑張っているのかもしれない。幼馴染の彼女に対してうららが素直に「頑張ってね」って言ったシーン、二人の覚悟も感じられるような気がして素敵だった。友達でもないけど、ライバルって感じでもないけど、頑張ってるのは知ってる。
雪さんが迷わずファンレターを書いていたシーンもすごく好き。大事なものは大事にしなきゃ。自分のちょっとした勇気が、ほかの人の自信になるかもしれない。背中をやさしく押せるかもしれない。
みんな何かを頑張ってるし、頑張ってる人はすごいし、頑張って得たものや作り上げたものはなんだって素敵で美しい。できない理由を探してできなかったことをずっと後悔するくらいなら、なりふりなんて構わないで、幾つになったってやったほうが良くて。
作中でBLについてや漫画が好きなことなどに対して何か否定的なことをいう人が出てこないところもよかった。何を好きだっていいんだよね。
いや、本当にしみじみと良かった。じんわりと泣けるいい話でした。
むむ

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