フィリップ・マーロウを演じるには遅すぎたのかもしれませんが、リーアム・ニーソンが自らマーロウ役を熱望しただけあって、派手さはないものの経験に裏打ちされた人間力が魅力的で、重みのあるアクションもなかなかシブくて味わい深かった。
出口の見えない迷宮を彷徨ううちに、気づけば深淵に踏み込んでしまうというハードボイルドらしい面白さもありますが、突き抜けた何かがなかったことが勿体無い。
ハードボイルド作品は、自らの手ではどうしようもないやるせ無さがゴロンと転がるだけの無骨さみたいなものが好きなポイントなのですが、本作はちょっとスマート過ぎたのでしょうか。