フィルってな〜フィル・ティペットってな〜すごい人なんやぞ〜って話(笑)
スターウォーズ、ロボコップ、ジュラシック・パーク(CGに食われたけどね)、スターシップ・トゥルーパーズなんかの特撮…おれにとっては神みたいな人ですよ。
その「特撮の神」が実に着想から30年の歳月をかけて作り上げだ(ずっと作ってたわけではないだろうけど)ストップモーションアニメ…
「MAD GOD」
そりゃ期待します。
公開館が少なくてちょっと遠い映画館へ…
始まるなり…その世界観…造形…にとにかく圧倒されます。
セリフも説明もない…とにかくその圧倒的な画力(えぢから)に息を飲みました。
人間なのかロボットなのかわからないマスクの男が地下世界へ降りて行きます。そこで繰り広げられている不思議な世界…機械なのか生物なのかもよくわからない地下に蠢くものたち…
排出物とぬかるみにまみれて死んでいく(壊れていく?)人間もどきや生物もどき…
ものすごいビジュアルから目が離せないのにストーリーは全く理解できない…
最初に聖書の一説みたいな引用が出るので何か宗教的なテーマがあるお話なのだろうけど延々と続く地獄めぐりに頭が麻痺してくる…
途中で眠くなったという感想を目にしたけどそれも頷けます。
そして中盤、最後の人類(ラストマン)としてこのストップモーションの世界にリアルな人間が登場します。
え〜!これって興醒めじゃない?なぜこの爺さんもストップモーションで描かなかったんだ?
そうか…フィルにとってこの映画は人類最後の爺さんを主人公に終末世界を描いた実写映画だったのだ。スターウォーズやスターシップ・トゥルーパーズと同じ…ただ人間が一人しか出てこないので他は全部特撮で作り上げました…というわけだ。
しかもこの爺さんを演じているのは…アレックス・コックス…「シド・アンド・ナンシー」なんかで知られる映画監督です。
あんた…こんなとこで何やってるの?(笑)
そして終わるまで結局何を描いているのかわかりませんでした。ただただその画力は凄まじいのですが強く印象に残るのは「排泄物」や「内臓」といったゲロゲロびちゃびちゃのうんこシッコの世界!
おれが神と崇めるフィル・ティペットが30年かけて作り上げたのがコレ?
やはり天才だけど闇深くない?
ラストに少し 光を見た気もするのだが…
映画が終わり、おれの後方に座っていたカップルが退場しながら何やら揉めていました。
女「何これ?さっぱりわかんなかった」
男「作ったフィル・ティペットってすごい人なんやぞ〜」
女「すごいか知らんけど気持ち悪かっただけやん…やっぱり「スラムダンク」にしとけばよかったんよ」
男「フィルはな〜フィルはな〜…」
そうやね、スラムダンクよりこちらをデートムービーに選んだお前…ある意味天才だと思うぞ…
(笑)