140字プロレス鶴見辰吾ジラ

アイランドの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

アイランド(2005年製作の映画)
3.6
【素材の味と味付け】

自分たちがクローンで生かされる目的は、オリジナルの事故や病気による生存危機に際した場合の移植パーツのためだった…とハードSFやハードボイルドに舵を切って「ブレードランナー」テイストな作品になるポテンシャルを持っていながら、この男マイケル・ベイ。爆発にカーチェイスにやはり格好良いと素直に思えるが、「ブラックコーヒー苦いからな~」と砂糖やミルクをタバダバ入れるような、素材の味を楽しんでもらおうと塩コショウで下味つけたが、ベトベトにタレに浸して食すような、マイケル・ベイ的な場違い感のある作品。「ペイン&ゲイン」「13時間 ベンガジの秘密の戦士」など作れる技量を持ちながら、何故にタレに作品を浸すのか?

実は山崎貴系統の監督?

しかしながら数々の反ベイ意見に晒されながらも彼の作品は夜食として摂取したくなるこの背徳感よ…

まだ若きスカーレット・ヨハンソンの凛とせずまだ怯えた表情が素敵。吹き替え版では甲斐田裕子さんが演じており、これまた彼女の魅力的な強気な演技でなく、状況に怯える感じが非常に良い。