タキ

マークスの山のタキのレビュー・感想・評価

マークスの山(2010年製作のドラマ)
3.2
水沢が偶然窃盗に入った家の書斎に「告白」なる手紙があって、偶然水沢がそれを手にして母親の死(これも偶然水沢が入っていた医療刑務所の同室に母親の最期を目撃したというジーサンがいて当時の話を聞いていた)に関係した5人組の男たちの名前を知るという偶然づくしの設定がなんとも…。警察がその手紙を入手したのも水沢が逃走中にたまたま落としたものを拾ったという雑さ加減で、いやそもそも謎解きを手紙まかせにしてるのも都合良すぎる。
しかも5人が計画して殺した野村という男も、強請ってる相手と一緒に冬山登山に行くという無邪気すぎる無防備さでビックリした。水沢にとっての北岳への想いもよくわからない。母親に殺されかけて夜の冬山を彷徨ったという強烈なトラウマを乗り越えてなお北岳を目指す意味とはなんなのか。マチコへの愛と言われてもなんだかしっくりこない。水沢の復讐ともお金欲しさともつかない無軌道さを生み出す狂気もいまひとつだった。高良健吾、マチコを母親に対するように一途に愛する姿がいい雰囲気だったのに残念。水沢の過去を描くエピソードがもっとあればどうキャラづけするか焦点が絞れたかもしれない。父親を亡くしてから母親から虐待を受けていたという刑事のセリフだけでは情報が少なすぎる。

BS日テレ
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