Benito

TOKYO VICEのBenitoのレビュー・感想・評価

TOKYO VICE(2022年製作のドラマ)
4.5
【 待望のマイケル・マン東京上陸!! 】

伝説のTVドラマ「特捜刑事マイアミ・バイス」(1984〜1989)、クライムアクション映画の傑作「ヒート」「コラテラル」を手掛けた男、マイケル・マン。彼が日本を舞台にドラマを撮った。それだけでも凄いが、作品の"質感"が本当によかった。

ドラマは全8話。
アメリカのメディアHBO Max(ワーナー系)とWOWOWの共同制作。シーズン1はまさに崖っぷち的な衝撃的な展開で終わったけど、嬉しい事にハリウッドのストライキが始まる前に「シーズン2」の主要な撮影を終えたとのこと。2023か2024年には観られるかも!?

ドラマは、1999年の東京が舞台。
大手新聞社の新人記者の視点で描かれた日本の怖い裏社会の様相は、リアリズムに溢れていて、人物、シナリオだけでなく、東京の風景、そして衣装や小道具など細部まで徹底的に拘っている。そしてドラマは日本の読売新聞社会部記者だったアメリカ人ジャーナリスト:ジェイク・エーデルスタインの暴力団界のルポがベースになっているというから、納得。面白かったけど「ブラック・レイン」(1989)をはじめとするあれっと感じた独特な日本の風景みたいな映画って今まで多かったけど、今回の「Tokyo Vice」の作り込みは別格!

役者陣は、主役アンセル・エルゴート(「ベイビードライバー」は良かった)の日本語も凄いが、渡辺謙、菊地凛子、伊藤英明、笠松将、山下智久など、なかなかバラエティ豊か。謙さんもいいが、今回はドラマのキーパーソンで若手ヤクザのリーダーだけど、どこか複雑で繊細なキャラクターを演じた笠松将が凄く印象的だった。

とにかく、続編をはやく観たい。

今回製作者として、そしてひとつのエピソードを監督したマイケル・マンの衰えを知らない才能と情熱に改めて敬意を示したい。
Benito

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