肉鹿

ペペロンチーノの肉鹿のレビュー・感想・評価

ペペロンチーノ(2021年製作のドラマ)
3.5
宮城。津波で経営していたレストランを失い、アルコールに溺れたオーナーシェフ。それでも0から立て直し10年後のコロナ禍、理由も知らされず友人たちは集められた。

復興をテーマにした60分のドラマで、セリフの力がすごい強かったです。
「(その人たちの分まで生きる義務じゃなくて)楽しむ義務があるんです」
「被災者ていう前置きをずっとされながらマスコミに取り上げられてきた。でもあなたは初めてそこに触れなかった。俺は被災者じゃない。料理人です」
みたいな、罹災しなかった人たちへハッと気付かされる血の通ったセリフが多くてきっと長時間被災者の方にインタビューしたんだろうなあと思わせてくれます。

そんな真摯さは演じた人たちへも浸透してて、特に主演の草彅剛さんが万感の思いを滲ませながら熱演。
アルコール中毒から立ち直るためずっと禁酒している主人公ていうのも、まるで自身と重ねているようで感慨深くてしみじみしました。
肉鹿

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