マーティン・フリーマン主演！
2011年にイギリスで実際に起きた失踪殺人事件を、詳細なリサーチと当事者へのインタビューを元にドラマ化した作品。
誇張したスリル満点のサスペンスドラマではなく、ドキュメンタリー調で事件をじっくり追っていくところが新しかったし、実話なので、所々実際の映像を織り交ぜているのも面白かった。
前半は犯人探しだけど、このドラマが描いているのはもっと大きな話。司法、権力、人権、保身、正義…
最終的にどういう決着がつくのかドキドキしました。
イギリスのPACE(刑事証拠法)に基づく、いわゆる逮捕時の「あなたには黙秘権があり…」という容疑者への警告がなければ、仮に自白しても証拠として認められない。
でも正直、黙秘権があると言われてベラベラ自分の罪を話す人がどれだけいるというのか。自白通りの場所で遺体が見つかっても罪に問えないなんて、そんな事があっていいのか。
でも権利という面から見たら、もちろん一概にPACEを否定はできない部分もあり、複雑でとても考えさせられた。
ただこの事件に関しては、最終的に新しい証拠が特に出なかったから最初の自白を使うことにして、しかもクビにしたファルチャー刑事を法廷で証言までさせておきながら、最後までファルチャー刑事を悪者にした警察は最低だと思ったし、あのズル賢い犯人は絶対他にも事件起こしてると思う。
こんな事件が実話だなんて信じたくない…
2組の被害者家族も両極端で、そこの葛藤も描かれていて引き込まれた。
とにかくキャストの芝居が総じて素晴らしくて、苦しくなったり憤ったり、感情が揺さぶられました。
テーマがテーマだけにずっと暗いし、ドキュメンタリー的なカメラワークに好みが分かれそうだけど、重厚で素晴らしい作品です！
