ミサホ

けものみちのミサホのレビュー・感想・評価

けものみち(1982年製作のドラマ)
3.9
今年の4月頃に再放送があり、録画しておいた本作をようやく観ました。第一話は夏頃に観て、そのままになってました。

山崎努…ふぅ、すごい。
やっぱりヴィゴ・モーテンセン並みにかっこいい。激渋だ。彼は本作で、小滝という実業家を演じる。名取裕子演じる民子を政界の大物の元へ送り込む役どころだ。

そして名取裕子!この頃はまだ20代前半だったよう。濡れ場も辞さない役者魂をこれでもかと見せてくれます。
彼女、大柄だし、骨太(たぶん)なのだけど、とても色っぽい。日本的な感じがいい。洋服より和服が断然似合う。

民子は、西村晃演じる政界の大物・鬼頭に囲われ、夜になると、鬼頭の相手をする。当時は、さぞ物議を醸しただろうなというくらい、ねっとりとした濡れ場だ。

料亭の中居だった民子が小滝の手によって、大胆で、恐れを知らない女に変貌する。さながら、紋白蝶のような無垢な娘がアゲハ蝶🦋になる…といった感じか。

加賀まりこも出演しているが、本作では名取裕子に軍配を上げざるを得ない!(個人的にだよ)特にこれといった見せ場がないのが少し残念だった。

それから、暴力的な民子の旦那で、寝たきりになった挙句、民子に殺される哀しき男を演じた石橋蓮司。出番は少ないが、あの独特の存在感はやはり印象に残る。

役者陣の魅力と共に、否応なく緊迫感を高める音楽、陰影の深さが際立つ映像、男と女の駆け引き、それらが見事に融合した迫力あるドラマでした。
ミサホ

ミサホ