ていねいに作られていて観やすく、面白かった。
2011年にNHK BSで「SHERLOCK」のオンエアを観て以降、”BBCで放送されたミステリー”の面白さに開眼した。本作はまさにその「SHERLOCK」なども手がけたスティーヴ・トンプソンによる制作・総指揮&脚本というのがウリ。
スタッフ陣も一流が揃えられたのだろう、映像がドラマとは思えないくらいのハイクオリティで、舞台となる20世紀初頭のウイーンの街並みが見事に再現されている。「第三の男」で有名な観覧車が出てきたりで、ウイーンの名所巡りをしている気分になれる。日本では「ALWAYS 三丁目の夕日」のように100年前の街並みはもうCGなどの特殊効果でないと再現できないが、ヨーロッパは街並みがいまだに当時のまま保存されている(モース・シリーズの舞台オックスフォードなども然り)
ユダヤ人家庭の青年研修医とウィーン警察のベテラン警部というバディもの。研修医はユダヤ人という時代背景的に難しい出自。恋愛もいささか奥手で優柔不断。当時はまだまったく認められていなかったフロイト学派に傾倒しており、プロファイルによる推理で事件を解決しようとするスタンスが、実直だが短気な警部とぶつかる。
一見ホームズとワトソン的なのだけど、第1シーズン(しかもエピソードは三つだけ)なので、まだお互い気心がよく分かり合えておらずギクシャクしているが、次第に信頼が増していく様子も良い感じ。
英米ではすでに第3シーズンがオンエアされたそうで、ずっと続いて欲しいと願うシリーズになりそうな予感大。「モース」に続いてまた観終わるまでサブスクがやめられなくなった。
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