miumiu

サード・デイ 〜祝祭の孤島〜のmiumiuのレビュー・感想・評価

サード・デイ 〜祝祭の孤島〜(2020年製作のドラマ)
4.6
ジュード・ロウ出演作を追いかけて鑑賞。

干潮の間だけ海の道を通って外界と行き来できるオシー島に閉じ込められた主人公サム(ジュード・ロウ)の運命の3日間を描く「夏編」と、子供たちと休暇を過ごすためにオシー島にやって来たヘレン(ナオミ・ハリス)の3日間を描く「冬編」の2部構成のドラマ。

ずーっと不穏な空気が流れて緊張感が漂う、オカルトっぽさもあるミステリースリラー。
とにかくジュード・ロウがひたすら酷い目に遭い続けるドラマでもある。
オシー島では事件に巻き込まれ、ロンドンに帰らなければならないのになかなか帰れず。
私生活と仕事でかなり追い詰められた様子でもあり、とにかくずーっと辛そうな様子が観ていてしんどい。
来る祝祭に向けて準備が進む「オシー島」の様子も、カルトっぽさもありつつ閉鎖的なムラ社会っぽさもあり、何とも不穏。
そして夏編ラストの第3話で明かされる事件の真相はなかなかゾッとした……
(「夏編」グロさもありつつ映像がずーっと美しく、多彩な光を使ってジュードを美しく撮っているところに
「ジュード・ロウを何がなんでも美しく撮るぞ!」
という気合いを感じた笑)


主人公が代わる「冬編」は別のストーリー? と思ったら、第4話のラストできちんと地続きのストーリーであることが明かされ、その繋がりが分かると怖さ倍増。
「途中で観るのやめた」みたいな感想が見受けられるけれど、全話観るべきだしイッキに観るのがオススメ。後半で本当に印象が激変する。
主人公がサムからヘレンに代わることで、前半の「夏編」の解釈もまた違ったものになるのが面白い。
そう言えば夏編は完全にサム目線なんだよな。
「視点」や「語り手」の変化でストーリーがこんなにも変わるのか。

ちょっとだけ残念だったのは、ラストがオカルトともファンタジーともとれる、視聴者に解釈を委ねるような描き方だったこと。
ミステリー作品は、論理的で整合性のある方が好みなので、結論をぼやかされると消化不良だな……。


今作、ジュード・ロウがあまりにも酷い目痛い目に遭うので
「製作サイドにもジュードが関わってるんだっけ?(あえてそういう場面を入れてる?)」
と思ったら、製作はブラピの製作会社プランB、プロデューサーにきちんとブラッド・ピットの名前もあった。
とは言え、
「ジュードの私生活の色恋ネタをパロディにしてません?」
な展開もあって、この脚本を拒否せず演じてくれるジュード・ロウすごいな、イイ人じゃん、と思った笑
後述する「秋編」も含め、「作品のために身体を張ったり徹底的に役作りして演じたりするの、本当に好きなんだな…」とジュードへの信頼度がUPしたドラマ作品だった。




(おまけ)
本国では「夏編」と「冬編」を放送する合間のタイミングで、オシー島の祝祭の様子を12時間連続で生配信する「秋編」を放送しており。
YouTubeでダイジェスト版を観てもずーっと不穏な空気でヤバい。
ドラマというより淡々と祝祭の様子を追っている記録映像。何なら本編より怖い。
そして「生配信で俳優がこんなに身体張っていいのか?」と思うほど、やっぱりジュード・ロウが酷い目に遭う&圧巻の演技なのでジュード好きにはぜひ観てほしい。

https://youtu.be/lcZvNbt1ooA
miumiu

miumiu