みーちゃん

チェルノブイリのみーちゃんのレビュー・感想・評価

チェルノブイリ(2019年製作のドラマ)
4.8
重いテーマだから観るのに勇気が要り、後回しになっていたのだけど、今観てよかった。やはり見応えがあった。描かれている事実そのものが凄まじいのは勿論だが、その描き方が優れてる。

一話から五話までの構成も映像もキャスティングも音も、ほぼ完璧だと思う。全ての面で、これ以上は足すところも引くところも無いと感じる。なのに自分の中で何故"ほぼ"というスッキリしない言葉がつくのだろう?と考えると、現実的にも、理想的にも、いまだ解決の糸口が見えないからだと思う。

ドラマとしては、物語を引っ張るレガソフ、シチェルビナ、ホミュックという核となる三名を中心に配置しつつ、各エピソードで新たに投入される普通の人々と、その場面設定が的確。中でも、私が地味にやられたのは、第4話:掃討作戦。それまでの身体に現れる直接的なダメージとは違い、後からメンタルにズシンときた。手作りの防護アイテムにも泣きそうになる。

最終話の法廷シーンの脚本にも目を見張った。ここにきて初めて、そう言えば、そもそもの事故原因や、現場の人達について、自分がまだ何も知らされていなかったことに気づき、愕然とした。

レガソフ博士とシチェルビナの名状し難い関係にもぐっときたし、ホミュックだけ創造の人物だという点も、なるほど、確かにこれが最も効果的な伝え方だと、作り手に共感した。