風の旅人

獣になれない私たちの風の旅人のレビュー・感想・評価

獣になれない私たち(2018年製作のドラマ)
4.5
行きつけのバー「5tap」で出会った深海晶(新垣結衣)と根元恒星(松田龍平)の「ラブ(かもしれない)ストーリー」。
5tapに行けば、いつもマスターのタクラマカン斎藤(松尾貴史)がいて、馴染みの客に会える。
そこは街のオアシス。
たわいもない会話に花を咲かせ、様々な種類のクラフトビールを嗜む。
会社では九十九社長(山内圭哉)のパワハラに悩まされている晶も、兄の借金を肩代わりするために粉飾決算の税務申告に加担した恒星も、5tapでは肩の荷を下ろせる。
感性の赴くままに生きる呉羽(菊池凛子)やカイジ(飯尾和樹)と違い、「獣になれない私たち」は他者の評価を気にし、周囲との調和を重んじる。
しかしそうすることで自分を押し殺し、いつしか本音が言えなくなってしまう。
本作はそこからの再生の物語。
連続テレビドラマとは思えぬオフビートなゆるゆるとした展開は画期的で、野木亜紀子の脚本にはいつも驚かされる。
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