shun

愛という名のもとにのshunのレビュー・感想・評価

愛という名のもとに(1992年製作のドラマ)
4.4
「愛という名のもとに」全12話観終わった。

「東京ラブストーリー」、「この世の果て」に続いて鈴木保奈美主演作品3本目。
すごく芯が強く仲間からも頼られる女性として描かれていました。

舞台は今から二十年以上前の日本、大学時代同じ部活だった7人の仲間の人間模様を中心に当時の社会情勢も絡めて描かれます。具体的にはパワハラ、自殺、不倫、受験戦争や汚職など現代社会にも十分通じる内容がリアルに映し出されていました。

個人的に好きだったキャラは則子。なんかかわいい。序盤の純に対する想いが伝えられなくて強がったり嫉妬したりするのもそうだし最後にかけての成長する姿もかっこよかった。あの決断に至るまでの過程がドラマを通じて丁寧に描かれていたから応援できる。

そして貴子もかっこいい。自分の意見はっきり言えるところが好感持てるしセリフが名言みたいでたくさんメモしちゃった。そういえば赤名リカのときもそうだったな。
特に生徒連れて走るシーン。やっぱり映画やドラマで描かれる教師×生徒の関係って感動する。
「たった一度だけインターで降りてみてまわりの景色を見てほしいの。一緒に走ろう」「一番大切なものっていっつもまわりから馬鹿にされるようなこと」
「いまを生きる」や「モナリザ・スマイル」でもこういう話を扱っているのでおすすめです。

江口洋介はやっぱりかっこいい。結局一番仲間思いでアツい男なんだろうな。

そして皆そうだと思うけどチョロのシーンは衝撃的でした。追い詰められた人のSOSを受け止められる人になりたいと思った。
あのボスの人「世界の果て」では探偵を演じてた加藤善博さん。2004年に自殺されたそうです。クセのある演技ですごく印象に残った。

産婦人科立て籠もりのシーンも印象に残ってます。「カラダが傷つくのは女だけ」
「男の尺度で女を見ないで。力や体力でねじ伏せてその場その場の感情だけで」

そして音楽が最高にいい。繰り返されるボブ・ディランの詞も。
「どれだけ歩けば人として認めてもらえるのだろう?いくつの海を越えたら白い鳩は砂地で安らげるのか?友よ、その答えは風に吹かれている。答えは風に吹かれている。」

いつまでも一緒に語り合える仲間って素晴らしい存在
「人はどんなときに優しさを感じるのだろう。それは自分が悲しいときに来てくれる彼らに対して。それは彼らが苦しいときにそばにいてあげられる自分に対して」

あといくつか沁みたセリフ↓
「今日という日が明日や昨日とは決して違う、今日という日にするんだ。きっとそれがあたしたちが生きているということなんだ」
「自然を守る方法があるとしたら、それは人間がこの世からいなくなることかもしれない」
「人生は小さな箱を開けるようなもの。その中にはまた箱がある、、諦めて開けることをやめてしまった者はもう二度とその中を知ることはない」
「私はできればスミレの花のようになりたい。誰かが倒れそうな時、誰かが泣き出しそうな時そっと支え合う。私たちはスミレの花になりたい」
「仲間として、愛という名のもとに...」
shun

shun