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シカゴ P.D. シーズン5のMIDORIのレビュー・感想・評価

シカゴ P.D. シーズン5(2018年製作のドラマ)
3.0
前々から特捜班の特定のメンバーに不幸が多いというのはレビューで書いていましたが、遂に最大の不幸が起きました。シカゴPDメンバーで2人目の死者。あまりにも苦しめすぎてどうしてディック・ウルフはこんな脚本にしたの?と言いたくなるレベル。それから、リンジーが去って美人枠となったアプトンですが、特捜班のやり方に疑問と葛藤を抱きながらも仕事をやり通す姿には好感が持てて、アプトンはPDの希望の光です。

シーズン5はゲストが豪華で、“SUITS”でレイチェルの父親を演じたウェンデル・ピアース、“クローザー”でブレンダの右腕ガブリエルを演じたコリー・レイノルズ、“ER”後半でメインキャラクターだったDr.プラット役のメキ・ファイファー、“BOSCH”で主演ハリー役タイタス・ウェリバーなど、海外ドラマでお馴染みのキャストが多数出演。

検事局の捜査は長すぎるとかいう理由でアントニオ様が復帰(実際はジャスティスがシーズン1で終了したためですが)。聖人アントニオと悪人ボイトの間に流れる緊張感のある空気は面白いです。アントニオはボイトを逮捕した刑事ですが、その時に腕を見込まれてスカウトされたので、ボイトの善悪表裏一体のやり方に多少理解もあるわけですが、たまたま強盗事件の捜査で特捜班に協力してそのまま引き抜かれたアプトンは、ボイトのやり方をほとんど知らずに特捜班に来たこともあって、リンジーが審査にかけられた一件だったり、ジェイの一般人被弾事件、アダムの容疑者暴行事件、キムの情報屋恐喝など、数々の現場をたまたま目撃したことで厄介なことに巻き込まれ続けて、特捜班に対して疑問を抱えながらも、自分の仕事を貫き通す姿が良くて好きになりました。

キムはシーズン1登場時に26歳だったので、このシーズンでは恐らく30〜31歳と推察されますが、同業者との恋愛がやめられないようで、今シーズンの彼氏はFBIです。キムがFBI捜査官の彼氏に事件の話を漏らしたことで、特捜班を巻き込んだ管轄権争いになったり、キムはパトロール警官のままのほうが良かったのでは?とすら思うようになりました。

パトロールから昇格して以来あまり目立ったエピソードの無かったアトウォーターは、このシーズンで弟と妹が危険な目に遭ったり、アトウォーター自身も誘拐されたり、エピソードが増えてきました。アトウォーターは尋問も上手いし、キムのように無茶苦茶なことしないし、冷静で良い刑事になったなと思います。

ジェイはリンジーと別れたショックから立ち直れずにいたエピソード1で、ギャングを撃ったはずの弾が一般人(しかも小学生の女の子)に被弾して大問題に。それをアフリカ系の議員が騒ぎ立てたことから、更に大騒動になります。この事件が起きて少しの間休んでいたジェイは再び復帰しますが、今度は自分と同じくレンジャーだった男性が犯罪グループに入っているという事件の捜査で感情移入しすぎてしまうことに。その捜査のときに出会った元レンジャー隊員の姉カミラと関係を持ち、カミラと行ったパーティで事件が起きて、特捜班にカミラとの密会がバレる。更にはカミラが売人だったことが判明して、ジェイ大ピンチ。シーズン3の頃のリンジーを思い出す、ジェイの堕落ぶりにビックリのシーズン5でした。

立派な刑事となってミスもないし、任務を完璧に遂行するようになったルゼックは逆に目立たなくなってきました。FBI捜査官と別れた後のキムとワンナイトしたり、仕事もプライベートも波に乗ってます。

寡黙で悪人ボイトの古くからの友人でもあったアルは、シーズン2には妻の不倫が発覚したり、シーズン3では浮気相手に娘がいたことが発覚したり、シーズン4では娘が事故死したり、とにかく不幸続きなキャラクターでしたが、PDはアルが嫌いなの?ってくらい最後までアルは苦しめられました。デニーとボイトの争いに巻き込まれただけのアル。もうボイトもいい加減、法律に従って捜査したらって思います。あまりにも法から逸れすぎて、特捜班が捕まえた犯人ってちゃんと裁けるのかどうか。証拠として使えなさそうだな〜って毎話思ってます。
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