思いつくままに、90年代ドラマのふりかえり。
フレンチレストランのオーナーとなった先代の息子(筒井道隆)が伝説のギャルソン(松本幸四郎、現松本白鴎)とともに一癖も二癖もある従業員がいるお店の立て直す奮闘記コメディ。
『古畑任三郎』とともに三谷幸喜氏脚本の最高傑作とも言われるドラマ。
三谷幸喜氏は元々劇団の役者、脚本、演出を手掛けていたこともあって、TVの方と言うよりも舞台演劇の出身の方である。近年では大河ドラマや映画の脚本や監督を手掛けているが、アンチが少なくない。内輪話的なノリや話が小さくまとまってしまう舞台的な感性がスケール感を求められる大河ドラマや映画に馴染まないということなんだと思う。
このドラマは厨房やバックヤードの場面があるくらいで、レストラン内のシーンで完結しており、極めて舞台的なことから、当時の三谷氏の感性にマッチしたドラマ。内輪話的なノリや話が小さくまとめる展開がかえってよい。
とはいえ、橋幸夫が好きな天才シェフが山口智子が演じているという感性、アリかナシかも問われ、クセは強い。
似たような作品で、石原さとみ演じるわがままなオーナーが現状維持志向で経営する潰れかけのレストランを舞台にした『Heaven?』は、似たような作品があり、こちらの方がクセが強くないように思える。