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恋のスケッチ~応答せよ1988~のgukuのレビュー・感想・評価

恋のスケッチ~応答せよ1988~(2015年製作のドラマ)
5.0
応答せよシリーズ3部作制覇しました!
このシリーズとっかかりに苦戦は当たり前。でも3作目ともなるとその先に待っているものが分かっているので意外とスムーズに入れました。
恋愛要素が強かった1997や1994に、家族愛や友情、人情などを思いっきり盛り込んでいるのが本作1988だと思います。
古き良き韓国の下町ソウル双門洞(サンムンドン)。幼なじみ5人の青春物語に加えその家族のハートフルなお話。登場人物ひとり一人をとても魅力的に描いていて、笑って泣いて本当に温かなドラマでした。特にラスト2話は殆ど泣き通し。

ヒロイン、ドクソンを演じたヘリちゃんが素朴で昔の子っぽくって本当に可愛かったです。恥をかなぐり捨てた電話ボックスの変顔はそこまでやるの⁇とびっくり。そしてヒロインの幼馴染みに、母子家庭で育ち家族思いの優等生ソヌ(コ・ギョンピョ)、高校には行かず天才プロ棋士として活躍しているテク(パク・ボゴム)、ヒロインと同じ敷地に住みぶっきらぼうだけど実は優しいジョンファン(リュ・ジョンヨル)、お調子者で歌やダンスが上手いドンリョン(イ・ドンフィ)の4人の男子。コギョンピョが年の離れた幼い妹にいつもチュッとしてるのが微笑ましかったです。ボゴムはプロ棋士としての顔とは相反して、仲間の前で見せる弟みたいな表情が本当に可愛いくって母性本能をかなり刺激されました。この中から未来の夫が誕生するのですが、シリーズの中で一番難解で最後まで読めなかったのがここでの夫探しでした。

そんな子供たちを温かく見守る大人たちにソン・ドンイルさんやイ・イルファさん、ラ・ミランさんを始めとする名だたる俳優さん達。皆さんそれぞれに味のある素晴らしい演技でした。中でもキム・ソニョンさんが演じたオンマが特に忘れられません。心に残るセリフに加え、ソニョンさんの表情の一つひとつに母親の無償の愛が溢れていて泣かされてばかりでした。1988に関しては親目線と子ども目線その両方で楽しめたように思います。

著作権の関係か、お茶の間のテレビ番組や街のポスターにボカシが多いのが残念でしたが、時代を感じさせる小物や暮らしぶりは、日本でいうなら70年代後半から80年代初めくらいなのかなと思います。「パンモクチャー」 夕方になると横丁の家々から聞こえる母親たちの声に、「ご飯食べるよ〜」 と母に呼ばれていた遠い日の記憶が甦ってきました。
恒例の前作からのカメオはもちろん、短いながらヘインくんも登場していました。

ラストの演出には一層胸が熱くなり、キャラクターみんなが愛おしく、このメンバー達と人生のひとときを共に過ごしたかのような不思議な気持ちになったドラマでした。
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