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トーチウッド:ミラクル・デイのmiumiuのレビュー・感想・評価

4.5
英国の長寿SFシリーズ『ドクター・フー』のスピンオフ、トーチウッドシリーズの最終章。
ある日「奇跡」が起きて誰も死ななくなった地球。
トーチウッドが解散し既に存在しないことになっている世界で、日常を守るために家族とともに身を潜めていたグウェンが、「奇跡」がキッカケで家族が危険に晒され不思議な事象を探るために動くことに。

シーズン4は10話一続きの長編。
シーズン3同様、社会派SFの傑作だった!
不死身=良いことと捉えるのかと思いきや、怪我をしても死なない、人口の異常な増加、感染症の発生、医療崩壊、政府が命の選別を行う… など、パンデミックのパニックを彷彿とさせる最悪な事態を次々と描いていて恐ろしい。
死刑宣告を受けた犯罪者でも死なず、そのカリスマ性で逆に支持される描写も怖かった。

シーズン4では、縮小し消滅したトーチウッドを探す立場としてCIAが登場。スパイものっぽさもあって面白かった!
CIAから加わった新キャラクターも良かった。
グウェンの夫リースは頼り甲斐がさらにアップ、グウェンの元同僚アンディも、危険な中でも協力してくれる頼もしいキャラクターに成長していて好き。

そしてシーズン4の面白いところは、不死身のチート設定のはずのジャック・ハークネスが、奇跡が起きると同時にその能力を失ってしまったこと。 
ジャックの不死性と「奇跡」の繋がりを探るミステリーとしても面白かった。
そしてシーズン3までに次々とメンバーを失ってきたトーチウッド、グウェンとジャックが生き残れるのかという点でも最後までハラハラした!

最後までクオリティを保ったドラマで面白かった!!
キャラクターとしてのジャック・ハークネスが魅力的なのと、このドラマのクィア性は放送から10年以上経った今の方が受け入れられるのでは? と思うから、これからでも新作を作ってほしいな。
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