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ラスト・フレンズのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ラスト・フレンズ(2008年製作のドラマ)
5.0
家や職場でも居場所が得られず、恋人からのDVに苦しむ藍田美知留(長澤まさみ)、モトクロス選手として全日本選手権優勝を目指す一方、性同一性障害という誰にも言えない悩みを抱える岸本瑠可(上野樹里)、女性達の良き相談相手でありながら、姉から受けた性的虐待による過去のトラウマからセックス恐怖症に悩む水島タケル(瑛太)、寂しさを埋めるように恋愛依存する滝川エリ(水川あさみ)。悩み傷ついた4人は、ひょんな事から、シェアハウスで共同生活を始める。そして、彼女達は共に暮らすうちに、人と人との関わりの大切さを知り、前向きに生きようとする。
DV、性同一性障害、虐待、恋愛依存など若者が向き合う問題を正面から描いたドラマ。
長澤まさみ演じるミチルと錦戸亮演じる宗佑は、親に愛されなかったトラウマに苦しみ、ミチルは相手に嫌われないために強引に束縛してくる宗助の言いなりになってしまい、宗助は母親に棄てられたトラウマがあるが故に愛されたい相手を束縛してしまう。最終的にミチルは、どんな時も助けてくれたルカやタケルとの絆を支えに、宗佑に立ち向かえるようになる。
寂しさを埋めるように恋愛依存するエリは、ミチルの問題をシェアハウスの仲間と解決しようとする中で、自分に自信を持ち運命の人に真っ直ぐ向き合えるようになる。
性同一性障害を隠し続けていたルカは、信頼し合えたタケルやエリに自分の悩みを受け止めてもらえたことで、両親にもカミングアウト出来た。
一人一人は孤独だけど、同じように傷や悩みを抱えた者同士が支え合えるなら、より良い明日が見える。ベタだけど、そう思える傑作ヒューマン青春ドラマ。
のだめのイメージから見事脱却した上野樹里、難しい役を演じた瑛太、宗助という難しい役を演じ切った錦戸亮、ドラマのテーマを凝縮した宇多田ヒカルの主題歌が、素晴らしかった。
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