凹凸のある男女コンビがシュールなギャグを挟みつつ人知を越えた怪事件に挑んでいく日本のドラマというと堤幸彦の『トリック』や『ケイゾク』などを彷彿とさせますが、本作は『呪怨』などでお馴染みの清水監督に『ミートボールマシン』の山口雄大監督というのだから一筋縄ではいかないなんとも奇妙な珍品でした。
前半の郊外を舞台にしたミステリー仕立ての展開はこれだけでも全然面白い(なんならここが一番取っつき安く滅茶苦茶面白いんですが)。ですが中盤辺りからどんどん作品としてどうかしていき、最終的日常に侵食していく"何か"によりとんでもない所まで連れてってくれるという作風は白石晃司監督作などを彷彿とさせました。
主演の星野真里はちょっとやり過ぎとも取れかねない絶妙なバランスでどじっ子女刑事をひたすらチャーミングに演じていたし、バイプレーヤーとしてのイメージが強い田山涼成もダサいし汚いんだけどしっかりカッコ良く見えるあの佇まいは流石でした。
『ミートボールマシン』『怪奇大家族』の流れでのキャスティングであろう大ブレイク前の高橋一生もかなりのコメディアンぶりを発揮していて素晴らしかったです。しかし高橋一生は本作と上記の二作、『ウルトラゾーン』『MM9』そして『シンゴジラ』と特撮界に実は切っても離せない役者だったのは間違いないと思います。
後半に行くにつれ過剰になっていくVFXや特殊メイクの数々など本作もある意味特撮物の文脈に入れていいのでは?と思いました。
決して万人受けではないですが、スタイリッシュなオープニングやメインキャストのアンサンブル、序盤のミステリー展開等なかなか見所がある作品だった気がします。
なによりももうちょっとこのキャラクター達を見ていたくなる!誰も望んでないかもですけど、是非続編見たいです。
