竜平

LOST シーズン5の竜平のレビュー・感想・評価

LOST シーズン5(2008年製作のドラマ)
4.0
摩訶不思議な「島」を巡る数々の謎とそれに翻弄されていく人々の姿を描く、J・J・エイブラムスが手掛けるドラマシリーズ、そのシーズン5。全17話。

前回のラストでの行動が原因となって、序盤からがっつりSFチックな展開を見せるこのシーズン5。過去や未来といった「時間」にまつわる話、理屈はひとまず置いといて好きな人は問答無用でワクワクしてしまうんじゃないかなと、自分もその口。逆を言えば、そこらへんにとくにワクワクしない人はついて来れないかもな雰囲気が今回はいきなり顕著。例えば前半は「島を出た者たち」と「島に残った者たち」という、ここには3年の時差があるわけだけどその二つの舞台で起こる出来事を交互に描いていく。どうやら特別な何かを持っている「ロック」、なぜかずっと年を取らないというか容姿が変わらない謎の男「リチャード」、そしてとある人物が若かりし頃の姿で登場してくる第5話などなど、見どころがたくさん。

一辺倒では進まず、しっかり中盤から違う構成や流れを持ってくるのも見事。シーズン3で明かされた「ダーマ・イニシアティブ」のことを再び細かく描く島での話なんかはまさにSF。過去が変われば未来も変わるのか、はたまたすべて運命として決まっていて何も変えることはできないのか、どの選択が正しいのか、もうここまで来ると行動に対する「結果」を知る存在がいないもんで、登場人物と一緒になってこっちも白熱してくる。それぞれが抱える様々な事情や思惑がせめぎ合うあたりも相変わらず見もの。個人的には第11話、「ケイト」の内面に触れるエピソードがここにきて出てきたりして、またそれに付随して見える「ジャック」のあれこれも含めて、長く見てきたからこそグッとくる回だったなーなんて。何やらスピリチュアルな能力を持つ「マイルズ」や時間関係に強い物理学者「ダニエル」らシーズン4から登場の面々の生い立ち、島との関係というのも色濃く描かれたりして、大筋からちょいはずれるサブエピソードも楽しいところ。あとずっとストーリーの中でいろいろ掻き回し翻弄し続けてきた「ベン」の立場の変わりようね。登場人物が劇中で思い出話をしたりすると、なんかこっちも一緒になって懐かしい気持ちになる、ってのは俺だけじゃないはず。

オカルト方向の、目には見えないような、言わば「感じろ」的な部分もしばしば。いやしかし、後半へ進むにつれてさすがについていけなくなる人が増えそうな、どんどんぶっ飛んだ展開に。まぁ良くもわるくもなんだけどもうわりとなんでもありで、だからこそ何が起こるか読めるわけもないし、そらワクワクするぜって話。サプライズを仕掛ける演出もやっぱり上手い。てなわけで、いざファイナル、シーズン6へ。
竜平

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