飛行機事故により未知の島に不時着してしまった者たちのサバイバル模様とそこに広がる幾多の「謎」を描く、J・J・エイブラムスが手掛けるドラマシリーズのシーズン3。全23話。
どうやら島に元々いたらしい「他のもの」と呼ばれる者たちのあれこれや、島で行われていることに関しても少しずつ判明していく今回。まさかの切り口で描かれる1話目の冒頭からいきなりワクワクさせられること請け合い。謎だった部分が明かされる瞬間というものに毎度ゾクゾクさせられつつ、けど肝心な部分はやっぱりお預けだったりして、いやはやニクい。まずシーズン2のラストで連れ去られてしまった「ジャック」「ケイト」「ソーヤー」、ずっとあったこの三角関係が色濃く出てくる序盤。で「他のもの」たちがこの三人を翻弄していくわけだけども、ただここで見えてくるのが彼らにもどうやらある苦悩や人間関係など。ヘンリー改め「ベン」の巧みな話術と読めない目的、そして新たに登場するこれまた手の内が全くもって読めない女性「ジュリエット」の言動。彼女が発端となってまた仲間同士の信頼関係が揺らいでいくという、ヒューマンドラマも相変わらず濃密。
未だビーチに取り残されてる人物たちにも新展開がいろいろ。たとえばシーズン2の終盤からまた登場し始めた「デズモンド」なんかは何やら能力に目覚めるし、彼と「チャーリー」による前半のエピソードが終盤で活きてきたりもして、これは最後まで見てのお楽しみってやつ。会話の中での隠し事とか、その場の流れで言いそびれてしまうことから生まれるすれ違い、これはシリーズ通してずっとあるおもしろい部分。あとこれもシーズン2からだけども、重要だと思ってた人物がわりとサラッと死んでしまうというショッキングな展開も増える。てかここまで全然語られてこなかったとあるカップルにいきなり焦点が当てられる第14話、非常にお気に入り、その変化球具合ね。いやしかし、こちとらシーズン1・2と見てきて完全に「島へ不時着してきた組」に感情移入してるもんで、「他のもの」たちにすげーイライラするんだよなと。全然本当のこと言わないし、説明してくれても肝心なとこずっと伏せるし、いきなり裏切るし、見てて人間不信になってくる(笑)。あと「ケイト」は本当にズルい女よ。
島の仕掛けや仕組みなども新たに見つかったりと、シーズン2まで謎に満ちてた部分がようやく明かされてきて、ストーリーとしてはだいぶ前に進む印象。まぁちょっとずつだけどね。で今回もまた終盤、各話で形はちょいちょい変わりつつも「現在と回想」を交互に見せていくというここまでずっと続けてきた構成、これを崩してくるまさかの変化球具合にやられる。そんで見てて思い出したけども、このシーズンも昔一度見てた(どーん)。どこまで見てたんだかもうわからなくなった。というわけで、これまでとはちょっぴり違う展開が来そうな予感の漂うシーズン4へレッツゴー。
