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紙の月のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作のドラマ)
4.8
梅澤梨花(原田知世) は夫・正文(光石研) と2人暮らし。子供ができなかったこともあり、わかば銀行でパートとして働き始める。 
渉外係として顧客を回り、家事をいとわず手伝ううち、梨花は名護たま江(冨士眞奈美)などの独居老人たちから絶大な信頼を得ていく。 
なかでも梨花にご執心なのは地域の地主の平林孝三(ミッキー・カーチス)だ。 
ある日、平林家に呼び出された梨花は、孝三に金を借りにきた孫の光太(満島真之介)と出会う。 それから2年後。 梨花は顧客から預かった1億もの金を着服し、海外に逃亡していた。いったい梨花に何が起きたのか。 高校時代の友人・岡崎木綿子(水野真紀)と中条亜紀(西田尚美)は、梨花が起こした事件をたどるなか、それぞれが抱える心の闇と向き合わざるを得なくなっていく。
角田光代の同名小説をドラマ化。
子供を持ちたい望み、家計を支えるためにパートで働いていることを夫にないがしろにされ必要とされていないことに対する心の空虚さを埋めるために、お客さんの孫の光太の借金を支払ったり金銭や高価な服などで世話する金を横領で得て深みにはまっていく梨花の破滅と闇を軸に、梨花の友人の木綿子の過剰な節約癖と亜紀の買い物依存の中にある「幸せを求め、必要とされたい」という方法を間違えてしまう闇を絡めて描いているストーリーは原作に忠実で、梨花や木綿子や亜紀がどのように闇に落ちていくのかの心情の変化を丁寧に描いている心理描写がリアルで丁寧なところは映画以上。
梨花たちがどのように終着点にたどり着くかが映画よりはっきり描いていて女性目線のサスペンスドラマとして楽しめる。
大人な役どころに脱皮した原田知世、西田尚美、水野真紀の好演が印象的。
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