そのじつ

夏目漱石の妻のそのじつのレビュー・感想・評価

夏目漱石の妻(2016年製作のドラマ)
3.7
原案本未読。 これが漱石の真実かどうかはまず置いて…とても良かった。夫婦って・・家族って・・と自分の身や身近な関係に置き換えて、様々な気持ちが去来する。
荒木が「壊れている」と言ったけれど、壊れてない家なんてあるんだろうか。ひとつの綻びも無い家なんて無いと思う。「サザエさん」が長く人気を集めるわけだ。
それでもなお家族を継続してゆくしかないひとびとは、各々の役目を果たすべく戦い続けるのだ。運命共同体の一員として。自分の信じた人と共にある幸せだけを手に。

「わたしは君のように強くない」と漱石が吐いた言葉は蔑みにもとれるが、その直後鏡子が浮かべた笑みにドキッとした。夫に出来ないことを、私がやる!そういう誇らしげな気持ちに見えた。
この脚本は手練れだ〜、すごく面白かった。尾野真知子もハマっててよかった!上手いよね。
ハセヒロの漱石が素敵で、やっぱり惚れてるからこそ!という妻の心理に説得力を持たせる。

熊本時代の女中のテル(だったか)の猫背椿もよかった!
壇蜜はネタっぽい!でも「草枕」のナミなん案外ハマるかもしれない。
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