香川あざみ(坂口良子)にはひとには言えない秘密があった。ある日、職場の同僚の津村洋介(大門正明)が仕事終わりのあざみを尾行したところ、喫茶店で髭の男と話をしているうちに泣き出す姿を目撃した。津村は恋人か何かだと早合点するが、実はその髭の男は御手洗菊蔵(平幹二朗)というあざみの主治医であった。 事故死した愛人の子を産み、未婚の母だったあざみは、「再生不良性貧血」という病に冒され、残された命は1年余。自身亡きあとに残される娘のことを御手洗に相談していたところ、娘の引き取り先が決まったことを知らされた。これが涙の真実だった。 とうとう明日、娘が引き取り先へ行ってしまう。2人だけの夜、あざみは一睡もすることができず、朝をむかえた…。
恋人に事故で死なれ未婚の母となったあざみは、不治の病におかされていた。
御手洗から紀の様子を聞き、安心しながらも淋しさをつのらせるあざみ。そんな時、恂平から再び求婚される。
里子に出した紀も戻り、あざみは恂平との結婚を決意する。しかし、あざみの病状を聞いた恂平は…。
平和な紀との生活が戻り始めた時、あざみは岩崎から結婚を申し込まれる。
あざみの恋人を交通事故で死なせてしまった渡辺は、自分の命にかけてあざみを助けたい、と必死に訴える。
渡辺から贈られたブランコ代を返そうと、あざみは敬太の紹介でヌードモデルになる。
同僚の洋介に、婚約者のフリをしてくれと頼まれたあざみ。そこであざみは、洋介を紀の父親にと考える。
病院に出前に行った際、あざみと御手洗の仲を誤解した修。その後、修はあざみをデートに誘って近づく。
あざみは、危険なにおいを感じながらも白浜に惹かれていく。一方、御手洗は白浜に見覚えがあった。
あざみは、同じアパートの住人で、紀の世話をしてくれている甚九郎夫婦と一緒に暮らすことを考える。
紀が三歳の誕生日を迎えた日、とうとうあざみは雨の中に倒れ伏す。