昭和 14 年。東京の池上に暮らす川西家は、8 年前に夫を病で失った母親・里子(加藤治子)、4 年前に実家に戻ってきた長女・たき乃(田中裕子)、出版社に勤める次女・はつ江(宮沢りえ)、女学生の末娘・のぶ代(田畑智子)の女ばかりの 4 人家族で細々と生計を立てていた。 そんなある日、はつ江に縁談が持ち上がった。相手は海軍中尉の立花(町田康)。まだ一度しか会っていない立花から突然求婚されたはつ江は返事を先送りした。 一方、長女・たき乃は、5 年前に突然彼女の前から姿を消した夫の俊吉(小林薫)が警察に捕まったという知らせを受けた。場所はどこであろうと、やっと俊吉の消息が掴めたことにたき乃は目を輝かせた。 問屋稼業で暮らしていた俊吉は友人三治の尽力で警察から釈放され、5 年ぶりにたき乃の前に姿を現した。
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