なお

VIVANTのなおのレビュー・感想・評価

VIVANT(2023年製作のドラマ)
4.0
TBS「日曜劇場」枠。

某ジブリ映画のように、「放送前に一切の情報を出さない」という手法を採用。
出演俳優陣も日曜劇場パワーで超豪華。

プライムタイム(19時~23時)に放送されるドラマの制作費は3,000万~4,000万くらいが普通らしいが、本作ではなんとその倍、1億円余りを投入しているという。

「VIVANT」という謎タイトルからは想像もつかない、日本全体の平和を股にかけた一人の男の活躍を、その製作費のデカさに違わぬ壮大なスケールで描く。

✏️我が国の平和を脅かす者は絶対に許さない…
日曜劇場がまたやりたがった!!!
…な高クオリティのドラマ。
あえて超上から目線で物を申すならば、「邦ドラマもやればできるじゃん!」の一言。

前クールに放送された『ラストマン-全盲の捜査官-』が個人的にかなりの名作だったこともあって今回はどうなることやら…と思っていたけれど、その「ラストマン」とは別ベクトルで面白い作品だった。

日本とモンゴル、そしてバルカ共和国という架空の国家間に渦巻く陰謀と謀略。
堺雅人演じる本作の主人公・乃木憂助の過去と現在、そしてそれにまつわる因縁。

各話張り巡らされる伏線に視聴者は心躍らせ、熱心なファンの間では考察合戦までスタート。
芸能人の中にも「VIVANTファン」を自称する者もおり、ここまで日本列島全体を沸かせた邦ドラマって久しぶりじゃないだろうか。

大物俳優たちによる演技力のおかげで安心してドラマに集中することができるし、ストーリーも比較的単純で分かりやすい。
端役も含め登場人物のキャラクターや性格の掘り下げ等がしっかりとできており、感情移入が非常に容易。
(ドラムかわいいよドラム)

モンゴルが舞台の時は演者全員がキチッとモンゴル語で会話をしていたのも良かった。
ここで「日本語ができるモンゴル人」とか、そういった設定を持つ人物を登場させられると興ざめ。

英語と比べて普段耳にしないモンゴル語。
素人からすればモンゴル語の発音やアクセントがうまいかヘタかなんて判別できないので、こちらもまたドラマ本編に集中して目と耳を傾けることができるし、何よりリアリティがグンと増す。

本作は拡大版が計6回に渡って放送されたが、そんな時間が気にならないほどテンポが良くとにかく次の展開が気になって仕方がない作り。

正直言うと第4話(誤送金編)あたりまでが個人的には興奮のピークだった気もするが、それでも最終話まで飽きずに完走することができたドラマ作品だった。

☑️まとめ
これだけ人気が過熱すると、やはり気になるのは「次の展開」。
最終話では明らかに「次」をニオわせる演出があったが、次なる乃木の活躍の舞台は第2クールか、劇場版か…

次の展開までに、何か1本くらいスピンオフ作品を作っても面白い気はする。
野崎とドラムが活躍するバディものとか。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆
なお

なお