ワイカ

ナイト・エージェントのワイカのネタバレレビュー・内容・結末

ナイト・エージェント(2023年製作のドラマ)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

 ホワイトハウスが絡む硬派でなかなか良質な陰謀系サスペンスで、最後までヒリヒリしながら見ました。

 地下鉄爆破テロから市民を救った若手FBI捜査官が、ホワイトハウスにスカウトされて、暗殺事件に巻き込まれながら陰謀の真相に迫っていくお話。

 序盤からテロや暗殺が立て続けに起こって、いったいどうなる⁉︎とボルテージが上がります。あの殺し屋カップルはかなりの怖さ。

 最初に暗殺された夫婦が何者でなぜ殺されたのか、ホワイトハウス内にいると暗示される裏切り者が誰なのかなど、大事な部分がなかなか明かされず、緊張感が続きます。主人公の父親が元FBI捜査官で国家反逆罪の疑いをかけられた後に死んだという設定も、その疑いが具体的になんなのかなかなか説明されず、いったい何が、と気になっちゃいます。この辺の手法はとてもうまいと思いました。

 登場人物は多め、話はかなり複雑で、しかも説明は少なもんだから、ちょっと気を抜くとすぐ置いてけぼりになります。それでも終盤にかなりの疑問に答えてくれるので、最後はスッキリです。

 しかしこの手のシリアスな政治的陰謀ものは、どうしてもツッコミどころが出てしまいがち。



(ここからネタバレ)



 まず副大統領のテロの動機が弱い。最初から、大統領を殺してその罪をあのテロ国家の指導者に被せて、自分が大統領に昇格するくらいの動機じゃないと、一連の行動に説得力が出ません。

 その副大統領に協力する軍事企業も、いろんな人の暗殺に協力するメリットがよく分からず。テロを契機に海外で戦争を起こしてもらって儲けるとか、そういうのがないとあそこまでリスク取らないんじゃ(その辺は「ディープステート」の方が説得力があった)。

 そして最後は大統領の警護(シークレットサービス?)の半分くらいが裏切り者という、それはさすがに無理があるでしょう。こんなすごい陰謀は最小限の人数でやらないと、絶対に情報が漏れるだろうし。

 とはいえ全体的にはとてもよくできた面白いドラマでした。続編がありそうな終わり方だったし、次回を楽しみにしてます。
ワイカ

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