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0.5の男のkuuのレビュー・感想・評価

0.5の男(2023年製作のドラマ)
3.8
『0.5の男』
話数 全5話
放送年 2023年。
主演・松田龍平、監督・沖田修一によるオリジナル脚本ドラマ。
新時代の家族の姿をホンマ温かな目線で描くホームドラマ。

一気見しました~。

自由気ままな生活を送る実家暮らしの40歳のひきこもり男が、家の建て替えをきっかけに妹家族との「2.5世帯住宅」に住むことに。
2世帯にプラスされた“0.5の男”は、家族のゴタゴタに巻き込まれ、外の世界に放り出され、少しずつ新しい自分になっていく。
主人公・立花雅治役を演じる松田龍平は、
“身近にこんな人がいるかもしれない”
と思わせるほど演技が冴えわたる。 
共演は臼田あさ美、白鳥玉季、木場勝己、西野七瀬、風吹ジュン。 
監督と脚本を沖田修一、主演の松田龍平とのタッグは2016年公開の映画『モヒカン故郷に帰る』以来7年ぶりとなる。
主人公“0.5の男”は、果たしてどのような生きざまを見せるのか?笑って泣ける家族の物語が、繰り広げられる。

お話は。
古くなった実家を2世帯住宅に建て替えることにした立花家だが、ひきこもりの兄・雅治(これがまた嵌まり役の松田龍平)の居住スペースが問題に。
父・修(木場勝己)はこれを機に自立すればいいと云い、母・恵子(風吹ジュン)は無理をさせたくないと擁護する。
一方、妹・沙織(臼田あさ美)は兄の部屋をなくして玄関を二つにしたいと自分勝手な主張を繰り出す。
話し合いがまとまらない中、ハウスメーカーの川村(井之脇海)の説得によりなんとか『2.5世帯住宅』の建設に向けて歩み出す。
そうして始まった新生活。
ゲームの世界ではカリスマとあがめられている雅治だが、妹には『家事を手伝え』、中学生になるお年頃のめい・恵麻(白鳥玉季)にはキモいと云われ、仕事をしていない“0.5”の存在に居場所はありそうになく。。。

80代の親世代が、50代のひきこもりの子供を抱える家庭が増えており、中高年のひきこもりの人数が全国で60万人を超え〈8050問題〉と云われる深刻な問題になってる。
また、その予備軍たる年齢のニートや引きこもりが社会問題となって久しいかな。
最近じゃ『子供部屋おじさん』ちゅうキーワードまで誕生しとる。
まさに〈8050問題〉前夜の主人公が、親世帯と子世帯が一緒に暮らす2世帯住宅に、子世帯の単身のきょうだいが1人加わった〈2.5世帯住宅〉に同居するところから物語が始まる。
家族のこのはみ出し者の松田優作の優しさDNAを
引き継いだ松田龍平演じる“0.5の男”が〈8050問題〉なぞそっちのけでマイペースに暮らす中、妹家族との共同生活、
親の老い、
新しい出会い、
そして過去の出来事との向き合いなどを経て、変わることを余儀なくされ、少しずつ人と関わる生活を取り戻していく。
0.5男雅治は、とある時期から実家にひきこもったままの40歳。
日夜オンラインゲームに勤しみ、母の作り置きご飯で腹を満たし、誰にも気持ちを乱されることなく、平穏な暮らしを謳歌するある意味では幸せな男。
そんな男が、環境の変化に晒された時に、何を思い、何を感じんのか。
実際にこんな人がいるんちゃうかと思わせるような、自然体の松田の演技が冴えわたっていました。
流石!!映画『南極料理人』(09)、『キツツキと雨』(12)、『横道世之介』(13)、『さかなのこ』(22)などを手掛け、人間の機微をユーモラスに描くことで定評のある沖田修一が監督・脚本を務めただけある。
笑って泣ける家族の物語で個人的には嵌まりました。

※各エピソードあらすじを参考までに記載しておきますが、多少ネタバレに抵触してますので、お気になされる方はお気をつけ下さい

第1話 家族以外と話す。
今年40歳の雅治(松田龍平)は、父の修(木場勝己)、母の恵子(風吹ジュン)と実家で暮らし、部屋にこもってゲームざんまいの日々を送っていた。
そんなある日、『家を2世帯住宅にする』と恵子からのメッセージが。
困惑する雅治をよそに、妹の沙織(臼田あさ美)一家が押しかけ、2世帯住宅に向けた計画は着実に進行していく。
2世帯のおまけ、いわば『0.5世帯』とも呼ぶべき雅治に、新居での居場所はありそうになく……。

第2話 昼に外へ出かける。
とうとう始まった、2.5世帯住宅の生活。
給食が嫌だからと保育園に行きたがらない蓮(加藤矢紘)に、沙織と健太(篠原篤)は四苦八苦。
恵子は階段で転んでけがをしてしまい、雅治は日中、蓮と一緒に過ごすことになるが……。
一方、学校になじめない恵麻(白鳥玉季)は誰にも相談できずにひとり思い悩む。
そんな中、雅治は、けがで身動きが取れない恵子に代わり、保育園まで蓮を迎えに行こうと決意するのだが……。

第3話 電動自転車に乗る。
蓮の送り迎えで保育園に顔を出すようになった雅治は、保育士の瞳(西野七瀬)と次第に親しくなっていく。
一方、相変わらず学校に居場所がない恵麻は、相手が雅治とは知らずに、オンラインゲームで対戦。
チャットを通して2人の交流が始まり、雅治は恵麻の孤独を知ることになる。
しかし、恵麻が連日学校を早退していることを知った沙織が恵麻を問い詰め、口論の末、恵麻は勢い余って雅治の部屋に閉じこもってしまい……。

第4話 アイスをおごる。
オンラインゲームのオフ会に初めて参加した雅治は、ゲーム仲間に歓待される。
昼間に外へ出かけたり、瞳との交流も深まっていく中、少しずつ変わり始めている自分に気付く雅治。だがそんな雅治を過去に引きずり戻す、予期せぬ人物との再会が起きる。
雅治の過去の事情についてかすかに聞いた恵麻は、雅治の様子が気になり……。

最終話 働く。
隣家の騒動を目の当たりにした修は、わが身を省みる想いでいっぱいに。
恵麻からゲームの対戦を申し込まれた雅治は、恵麻からの思いがけない言葉に動揺しつつも、新しい関係性を築いていく。
さらに、保育園に蓮のお迎えに行った雅治は、瞳に向かってある決心を口にし……。
そんな中、修が雅治を誘い、2人は青梅の酒蔵までドライブをすることになり、珍道中を繰り広げる。
2.5世帯住宅を巡る立花家の物語が今、大団円を迎える!!
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