このレビューはネタバレを含みます
イムシワンが好きなのでスコアは甘め。
ソウルの出版社で校正の仕事をしている独身女性のヨルム(キム・ソリョン)が「他人の気持ちばかり考えて疲れて」、「自分の気持ちと向き合う」ために誰も知り合いのいない地方にリュック1つでふらっと越してきます。
このヨルムに感情移入できるかどうかで作品が面白いかどうかが決まるかも?
ヨルムは読書が好きで図書館で出会った司書のデボム(イム・シワン)、図書館で顔見知りになった人から少しずつ心を開いていきます。
ヨルムだけじゃなくデボムも辛い過去を背負っていて、出てくる人たちがみんな何かしら抱えている上、重いシーンが次から次へと…綺麗な部分だけを見せる作品ではなかったです。
人を傷つけるのも人だけど、傷を癒すのも人だし、それぞれが試練を乗り越えて支えあってたくましく生きていく明るい未来が感じられる良作でした。
辛い時に「何も聞かないでいてくれてありがとう」という台詞が出てくるけど、ただ自分を大切に思ってくれている人が隣にいてくれるだけで慰められていく過程が丁寧に描かれているので何度もあたたかい涙が流れました。
朝日が昇って煌めく海や自然の風景にヨルムとデボムが溶け込んで素敵でした。
薄暗くてこぢんまりした図書館も落ち着きます。
ここに自分の覚え書きにいくつかレビューを書いていますが私は図書館や本や詩が出てくる作品が好きみたいです。
「いつも私を悲しませるのは私が愛する人たち」「私の悲しみの深さは私が愛した深さに比例した」とかヨルムの心の声が刺さりました。
ヒューマンドラマが好きな人におすすめしたいです。
『未生』のチャン・グレもこの作品のデボムもイム・シワンにしかできない役だと思いました。