ノーカントリーやビッグリボウスキなどで知られるコーエン兄弟が制作したドラマ版ファーゴのシーズン4。
驚異的な大傑作だったシーズン1や2、如何にもコーエン兄弟らしい悪趣味な展開が続いたシーズン3に比べると今作はレベルが下がったように見えました。もちろん安定して意味深な雰囲気や、アホらしくて笑える場面があったのは良かったし、キャストたちの演技も素晴らしいです。ただ今作はキャラクターが多過ぎました。ロイキャノンにしてもジョストファッダにしても、同じくギャングの抗争を描いたシーズン2とは違って感情移入がし辛く、今までのシーズンにあったような感動や、心を揺さぶられる瞬間が明らかに少なかったです。ジェシーバックリーも悪くはなかったけど、マルヴォやヴァーガほどのインパクトはありません。もう少しギャングたちのキャラクターを減らすか、ベンウィショーや警官サイドたちの心の内面を深く掘り下げた方が良かったと思います。特にベンウィショーとサッチェルのシーンはもっと多く描いた方が良かったです。諸々を踏まえると個人的には最終回よりも9話目と10話目が好きでした。
シーズン4だけ若干残念な出来でしたが、それでも全体を通してみればとても面白かったし、強く心に残った作品です。コーエン兄弟のファンであっても、そうじゃなくても、このドラマは絶対に見るべきシリーズだと思います。
