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クイーン・シャーロット ~ブリジャートン家外伝~のCinemanのレビュー・感想・評価

4.0
「クィーン・シャーロット~ブリジャートン家外伝~」
Netflixオリジナルシリーズ全6話
ジョンダ・ライムズ監督
2023年アメリカ

鑑賞日:2023年11月30日 Netflix

本作はシャーロット王妃の出自とその後のブリジャートン家との繋がりなどを解説した「ブリジャートン家」のスピンオフ作品だ。
王妃とブリジャートン家の過去からの経緯をまるでネジ式回転のようなスパイラルな語り口調が見事だ。

ちょっとユーモラスな顔つきだが常に凛として表情を崩さず時に傲慢とも思えるこの王妃って一体何なの?
恐らく「ブリジャートン家」を観た人の多くが感じるその疑問に答えてくれる「ブリジャートン家」前日譚といえる作品だ。

【物語の概要】
ドイツ辺境の公国生まれのシャーロットはある日兄が勝手に決めた結婚で英国に連れて来られた。
こんな酷い結婚を強いられるのだから相手は醜男か性格の悪い男に違いないと思ったシャーロットは結婚式場に行かずお屋敷の壁を乗り越えて逃げようとした。
そんな彼女を散歩の途中で偶然見かけて手伝おうとしてくれたのがジョージ3世だった。
イケメンでとても優しくユーモアがありまさに紳士そのものだった。
この人となら幸せな家庭生活がおくれると感じたシャーロットはジョージと結婚することにした。

ところが、
新婚初夜、ジョージはシャーロットに「貴方はこのお屋敷に住んでね」と言って自分の屋敷に戻ってしまった。
新婚初夜がこれでいいの?と思ってはみたもののシャーロットは一人で床についた。
その後もジョージは一切シャーロットに会いに訪れない。
自宅バッキンガム宮殿の大きなダイニング・テーブルで何人もの召使いに見守られる中シャーロットはポツンと一人で食事をするしかない。

ついに我慢の限界がきたシャーロットはジョージのお屋敷を尋ねる。
ジョージは天文台で日がな星を観察していた。

なんでジョージはシャーロットに指一本触れないのか。
なんで一緒に暮らさず朝から晩までお屋敷内の天文台でジョージは星を観察しているのか。
ジョージの異変に気がついたときシャーロットは・・・。

【Trivia & Topics】
*スピンオフ作品。
本作は「ブリジャートン家」シリーズに深みを加える見事なスピンオフ作品だ。
一見放漫に見えるシャーロット王妃がジョージと結婚してから60年間どれだけ忍耐し苦労し努力して今を築いてきてのかを知ることができる。

*シャーロット王妃。
ソフィア・シャーロット・オブ・メクレンバーグ=ストレリッツは実在したが「ブリジャートン家」に登場する“シャーロット”というキャラクターは、本ドラマのプロデューサー、ションダ・ライムズが創作した人物だ。
シャーロット王妃の人種をめぐる論争は本シリーズの制作陣を刺激した。
多くの歴史家が、シャーロット王妃は文化的背景が混在した家系だったと考え、歴史家のマリオ・デ・バルデス・イ・ココムは1997年に『王妃はポルトガル王家の黒人の分家であるマルガリータ・デ・カストロ・イ・スーザの直系である』と主張している。

*黒人の貴族。
実際には数は少なかったが貴族社会に参加していた黒人は18~19世紀のフランスや隣国に少数存在していたことは文献に残っている。
最も有名なのがこの三人。

◯ジョゼフ・ブローニュ・シュヴァリエ・ド・サン=ジョルジュ(1745年12月25日〜1799年6月10日)
フランス出身のヴァイオリン奏者、作曲家でフランス最強の剣士。

◯アレクサンドル・ドュマ(1802年7月24日〜1870年12月5日)
フランスを代表する作家。代表作は「三銃士」、「モンテクリスト伯」。

◯英国王妃シャルロット・オブ・メクレンバーグ=ストレリッツ(1744年5月19日〜1818年11月17日)
英国王ジョージ三世の妃。

【5 star rating】
☆☆☆☆
(☆印の意味)
☆☆☆☆☆:超お勧めです。
☆☆☆☆:お勧めです。
☆☆☆:楽しめます。
☆☆:駄目でした。
☆:途中下車しました。
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