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玉楼春~君に詠むロマンス~のなっこのレビュー・感想・評価

玉楼春~君に詠むロマンス~(2021年製作のドラマ)
3.1
■ストーリー(BS12 HPより)
冤罪で没落した高官・林遠道(りんえんどう)の娘・林少春(りんしょうしゅん)は、名家の主・孫遜(そんそん)の誕生日を祝う宴席で琵琶を披露することに。そこで孫遜の四男・孫玉楼(そんぎょくろう)は少春に一目惚れする。一途な彼の誠意ある想いに心揺らぎながらも、父の汚名をそそぐことを誓う少春は、恋愛などもってのほかと彼を避け続ける。一方、少春の出自を知った孫家の面々は二人の仲を妨げようとするが、少春が孫家を困窮から救ったこともあり、嫁入りの運びとなる。徐々に孫家の面々に受け入れられる少春だったが、義父の孫遜が自分の父を陥れた黒幕ではないかという疑念を抱き始め―。

■感想
始まりは父の無念を晴らすため男装して官吏になるヒロインのお話かとワクワクしていたら…全く違う方向へ。求婚されて普通にお嫁に行ってその家のために尽くす良い女子のお話。ちょっと優等生過ぎるかな。
それにしても嫁いだ孫家はいったい何人の兄弟姉妹がいたのやら、ヒロインの機転で夫婦の危機を救った男女の数は多過ぎてもう数えていられない…孫家がピンチに陥る度に少春ならなんとかしてくれるかも!という流れが繰り返される。本当に頼りになるヒロイン。彼女が友達だったらどんなに心強いことだろう。でも、実際に近くにいたらちょっと出来過ぎてて、良い子ぶりが鼻につくかも。だからか、途中でまるでダブルヒロインのようにもうひとり孫家に新たに嫁いでくる姚滴珠(ようてきしゅ)の恋物語が展開される。こちらはちょっと新しいタイプのヒロイン。勝ち気で行動力があって明るく華やか。

明朝時代の華やかな衣装や調度品、窓際に立っているだけでまるで絵画のような美しい画は見ていて飽きない。夫の姉は貴妃でもあるのでたまに宮廷の様子も描かれる。

そして冒頭の語りが始まるシーンに最終話では戻ってくるので、何が起きても辿り着くところは分かっている安心感があった。

嫁いだ家の繁栄のために奮闘するヒロインを描いてはいるが、基本的に彼女は女性の味方。兄嫁や姑にはじめはよく思われていないのに徐々に信頼を得て孫家になくてはならない人になっていく。その過程で見ている方も孫家の面々がどんどん愛すべき存在へと変わっていく、ヒロインと一緒になって彼らがつつがなく幸せであるようにと願いはじめる。
大家族の一員になったつもりで彼らの喜怒哀楽を一緒に楽しめるドラマ。

結婚しておしまい、ではなくて、その先がある。

このドラマは、もしかしたら…いろんな男女、いろんな夫婦のあり方を描くことで、夫婦の愛はどうあるべきか、どんな夫婦の在り方が理想的なのか、を描こうとしていたのかもしれない。
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