masaya

エルピス—希望、あるいは災い—のmasayaのレビュー・感想・評価

4.6
2022年10月24日から12月26日までカンテレ制作・フジテレビ系列の「月曜夜10時枠の連続ドラマ」枠にて放送されたテレビドラマ。(全10話)

プロデューサーは『カルテット』の佐野亜裕美、脚本渡辺あや、長澤まさみ主演による、冤罪を題材にした社会派ドラマ。
共演は眞栄田郷敦、三浦透子、三浦貴大、山路和弘、岡部たかし、迫田孝也、六角精児、筒井真理子、永山瑛太、鈴木亮平他。

プロデューサーの佐野亜裕美はTBSで『カルテット』などの優れたドラマを制作し、高い評価を得ていた。
佐野は冤罪を題材にした社会派ドラマを制作しようと、本作の企画をあげるも採用されず、それどころかTBS局内の政治闘争に巻き込まれ、海外事業部へ異動させられてしまう。
ドラマ制作に対する強い想いがあった佐野は、失意のうちにTBSを退社する。

こんな事やってるからTBSは何時まで経ってもTBSなんだよ。

佐野はその後カンテレに転職し、2021年4月期の火曜9時ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』をヒットさせ、月曜日夜10時枠のドラマで、念願であった今作の放送を決めた。

冤罪や政治の闇、報道やジャーナリズムのあり方を問う骨太なドラマ。

長澤まさみや鈴木亮平に眼が行きがちだが、全体的な配役が見事で、シリアスな演出や全体の雰囲気もとてもいい。
演技も、全員がそれぞれの持ち味を出しているが、特に眞栄田郷敦の演技は圧巻だったし、迫田孝也の心の機微を表現する演技も印象的だった。
ジャンルは全く違うが、『カルテット』に匹敵する出来映えだと思う。

最終話のカレーライス、牛丼大盛、そして笑顔、心に響く素晴らしい作品だった。
masaya

masaya