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エルピス—希望、あるいは災い—のssr701のレビュー・感想・評価

4.3
始まる前から注目していた作品です
このドラマが実現するまで
一度はTBSで頓挫したそうで
経緯自体がそもそもドラマチックだなと
思って期待してました


これはこのドラマに限らず
ドラマ界全体への苦言になるんですが
もうおよそ10年以上前からですかね
ドラマの初回って必ずと言っていいくらい
「それってセクハラですよ」
「今の時代それはパワハラですよ」
みたいな会話で始まるんですよね

このドラマもご多分に漏れず
その展開だったので
あぁまたかなんて思ったものですが

そんな中いわゆるハラスメントキャラで登場した
岡部たかしが最終盤に至るまで
キーマンとして暴れる(物理的にも暴れましたね…)
とは流石に想像つきませんでした
カラオケで尾崎豊の「卒業」を歌ったのは
スタジオ破壊行動のある意味での伏線だったのかな?
鈴木亮平よりも目立って活躍するとか
ほんと意表を突かれましたね


長澤まさみのキャスターとしての
発声そして佇まいも素晴らしく
一方で序盤の体調のすぐれない姿は
見ていて痛々しくなるくらい
真に迫ったものでしたね
当然どの作品に対しても
そうでしょうけど
この作品に対して並々ならぬ決意が
あったのだろうなと見て取れました

そんな彼女の鈴木亮平との
ラブシーンも話題となりましたが
「過激なものを望んでたのに
がっかりした」的な記事を
目にした時はそれこそ何か悲しくてがっかりとしてしまいました

こういう熱いドラマに出会うことも
そうそうないことなので
そういう視点で語られるのは
残念で悔しいなと思いましたね
(…いつも下品なことを書いてるくせに
どのツラさげて言うてんのやといわれそうですが
まあそれほど没頭して夢中になって
見てましたよということで…)


さてもうひとり忘れてならないのが
眞栄田郷敦ですね
彼の執念が無ければ真実は埋もれたまま
だったわけで
中盤は彼が主役と言ってもいいくらいの熱演でした
しかし彼が抱えていたトラウマの設定が
はたしてこのドラマとうまく絡み合っていたかと言うと
少し微妙な感じがしました

鮮烈に残酷ないじめのシーンを描いて印象づける
という手段もあったでしょうけど
それはそれで地上波の限界もあってやれなかったのか
それとも単純に時間がなかったのか
結果的にはボヤけた感じになって
モヤモヤ感が残った点となってしまいました

ついでに言うと筒井真理子の関西弁も
毎回モヤモヤというか
ムズムズ感がありましたが
それはさておき…

冤罪が晴れたあと
マスコミが騒ぐさまや
警察の謝罪会見シーンなどはなく
静かに慎ましくふたりで過ごすという
あの日の続きが描かれたところは
良かったですね
時間や経費の都合でやらなかっただけかも
なんて穿ちすぎですかね
仮にそうだとしても素晴らしいことには
かわりないですけどね

そして重要
いや最重要人物の永山瑛太!
彼が長澤まさみと対峙した時が
ある意味でこのドラマの最高潮だったと言えるかもしれません
次はいつ長澤まさみと再会して対決するんだ?と
やきもきとし続けた日々でした
まさかこんなに出番が少なくて
会わずに終わるとは意外でした
これはまあいい意味での肩透かしで
逆に強い印象として残りましたけどね


当初は水しか飲めなかった
まさみちゃんも
最終回には牛丼をがっつけるように
なってめでたしめでたし…
でもここは天丼を頼もうとして
海老田天丼のことを思い出すから
やっぱり牛丼!と注文をかえても
よかったような気もしますね

最高のドラマだったはずが
毎度のようにたいしてほめてない
感じになりました
熱狂的ファンも多い今作ですから
おそらく誰もそれほど気にしてない
海老田天丼さんのことなど
どうでもいいから
ドラマ自体の素晴らしさをもっと語れよと
怒られるかもしれません
ほんと力不足で申し訳ないです

と言いつつこんなオチを書いて
逃げる私なのでした

カルテットや大豆田とわ子のように
今作も主題歌を主演女優が歌っていたので
次は吹石一恵さん主演に期待です!
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