2015年のボルティモア。
フレディ・グレイ事件…逮捕された黒人が亡くなったことで、関与した警官たちが起訴され、市警は大きく変化した。警官たちが街中での逮捕に慎重になり、検挙率が激減。それに反して犯罪発生件数は増加していったのだ。そんな中、麻薬・武器を摘発する私服警官隊〈ガン・トレース・タスクフォース=GTTF〉だけはイケイケで、容疑者宅に大胆に踏み込んではブツの押収を続けて存在感を示していた。ある時、市警管轄外のハーフォード郡警察・麻薬課の刑事デイブ・マクドゥーガルが売人アンダーソンを逮捕。続けて卸元である大物ディーラー・シュロップシャー（通称ブリル）を内偵していくが、その過程でブリルと懇意にしている市警警官の存在が明らかになった。それはGTTFのゴンド巡査。デイブは市警の大掛かりな汚職を疑い、事件をFBIに委ねることにする。こうして、ゴンドらGTTFメンバーの監視が始まった。アラーズ巡査部長以下、ゴンド、レイヤム、ハーセルといった市民からの苦情が多い問題警官たちが集まったGTTFは、摘発件数も多いが現場でカネを盗みまくり被疑者を暴行する悪党集団だったのだ。
2017年、アラーズの後を次いでGTTFチーム・リーダーとなったウェイン・ジェンキンスがついに逮捕される。2003年にパトロール警官としてキャリアを始めたジェンキンスは、2005年にはすでに私服任務中にやりたい放題をしでかすクズ警官であった。FBIが彼の逮捕に至るまでに明らかにした、ジェンキンスの素顔とは…
「WE OWN THIS CITY 不正と汚職が支配する街」
HBOのミニシリーズで全6話。実話を元にした、ボルティモア市警の腐敗を描いたドラマです。「ザ・ワイヤー」と同じクリエイターで似たテイスト。よりドキュメンタリータッチになっていて、ちょいちょい時制が飛ぶので集中力を要するかな。FBIの捜査と並行して、公民権局の弁護士が市警の体質を目の当たりにしていく様も描きます。「同意判決」などの単語も出てきて難解なんだけど、やはりアメリカのリアルを知るには良いシリーズでした。
