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池松壮亮×金田一耕助3 金田一耕助、惑うのERIのレビュー・感想・評価

4.0
金田一耕助の最初の登場シーン、雨で天然パーマが爆発した頭にハット帽。その時の池松くんの表情と言ったら。こういうとこなのよ、池松くんの魅力も爆発(ずるい)

ということで池松金田一の3作目。


第一幕「女の決闘」
ロビンソン夫妻のパーティに藤本哲也の元妻ヤスコと現在の妻タミコが鉢合わせするところから物語が始まる。

ダンスの時間が始まって、みんながフロアで踊る中、突然タミコがソフトクリームを食べたあと床に倒れてしまった。医師の診断によるとストリキニーネという毒を盛られたという。

金田一耕助の咄嗟の処置が功をなして、民子の命はことなきを得る。ただそこから本当の女の闘いは始まっていく。


第二幕「蝙蝠(こうもり)と蛞蝓(なめくじ)」
金田一耕助は湯浅順平の小説を読んでいた。それは隣に住み始めた金田一耕助の奇妙さとうだつの上がらなさを長々と書いた文章だ。湯浅は金田一の出立ちを蝙蝠だと表す。アパートの下に蛞蝓女と呼んでいる女がいる。

湯浅順平はイライラしていて蝙蝠と蛞蝓を題材に悪口を盛り込んだ小説を書いてやろうと決めた。蛞蝓女が殺される物語を。そこから蛞蝓女が気になって仕方がない。蛞蝓女はある時を境に羽振りが良くなり毎日縁側で牛肉を焼いて食べるようになった。この小説をきっかけに事件が本当に起きてしまう。さて真実はいかに。


第三幕「女怪」
オープニングの池松くんのダンスは、ちょっと可愛すぎて言葉にならない。やめて(やめないで)

横溝正史の私と金田一耕助がある村で過ごす物語。金田一の話を聞いて私はたくさんの物語を書いていた。ある時、金田一が興味を持つ事件があった。それは金田一耕助の好きなマダム虹子の元夫が死んだ事件。

金田一耕助の恋。スナックで働く未亡人虹子に恋をしていた。彼女の前で変な行動をとりまくる金田一耕助がこれまた可愛い。

虹子の周辺でいろんな男のあれこれ。ヤキモチを焼きながら周辺を探る金田一耕助。虹子の真実。金田一耕助の恋の行方。



三幕ともどれも全て素晴らしい映像化だった。音楽の使い方も本当に上手いし、リアリティとかより映像の巧みさや人間の喜怒哀楽の振れ幅豊かさが存分に閉じ込められていて、この世界観をみんなで同じ方向を向いて作ってるのもとてもいい。
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