みーちゃん

未成年裁判のみーちゃんのレビュー・感想・評価

未成年裁判(2022年製作のドラマ)
3.3
少年犯罪という題材に関心があるので観た。はっきり言って六話くらいまでは面白くなかった。好みの問題ではなく、このタイトルを掲げるなら、もっと深く掘り下げて欲しい。

確かに犯人は未成年だし、事件そのものはショッキングだけど、表面しか描いておらず、一般論しか述べていない。誰でも想像できることばかり。期待値が高かっただけに、このドラマならではの価値を感じなかった。

でも七話から面白くなってきた。ここからフォーカスするポイントが変わり、急激にキャスティングの良さが効いてきた。

イ・ソンミンは、やはり圧倒的な存在感。終盤、回想的に一瞬だけ登場した時に再認識したのだが、彼が映るだけで、作品全体のテイストが変わるくらいの影響力がある。

キム・ムヨル(悪人伝の刑事役)のナイスキャラも必要。そしてキム・ヘス。特に彼女が"思い出箱"の中身に向き合うシーンは、一体どんな演技で魅せるのか、観客として固唾を飲んで見守るクライマックスだが、一挙手一投足の全てに共感することができた。このシーンに文句のつけようが無いのは特筆すべき点だと思う。

その一方で、"少年犯罪を題材にした社会派ドラマ"という大きなテーマに立ちかえると、感動したポイントも、法廷ドラマとしても、視座は低く、想定内の範疇を超えなかった。