EDDIE

となりの精神科医のEDDIEのレビュー・感想・評価

となりの精神科医(2021年製作のドラマ)
3.6
中年経営者と精神科医の本当にあった30年の喪失の物語。自分を変えるためにセラピーに通い出した男性が大きな財産とそれよりも大切なものを失っていく…。
序盤はコメディのように笑える展開が続くが、あまりにも人の心を持ち合わせてるとは思えない精神科医の言動に表情が凍りついていく。


▼Twitterに投稿した各話短評

◆ 第1話
AppleTV+オリジナル。ウィル・フェレル&ポール・ラッドW主演の実話に着想得たドラマ。
父から継いだ仕立て屋で常連客とトラブルを起こすマーティ。
発作もあり妹の勧めで通った精神科医アイクと出会い人生が好転していく。
この2人の戯れと会話が楽しい。

◆ 第2話
マーティは40歳を目前に控え、精神科医のアイクから人生二度目の“バルミツバ”を提案される。
空虚な日々、敬意のない周囲、すべてが鬱屈とした感情の発端であり、それを癒してくれるアイクに心を許す。パーティで踊り狂う2人と寂しげな家族の対比が良い。

◆ 第3話
精神科医アイクに心酔していくマーティ。妹フィリスはセラピーを勧めた自分自身に罪悪感を持つように。
仲良い兄妹の関係はいつしか綻び壊れていく。胡散臭くも見事なセッションで心を操るアイク。
ついに彼は“境界線”を大きく踏み越えてくる。

◆ 第4話
“財団設立”
アイクはカウンセラーで親友でビジネスパートナー?マーティは掌の上で転がされているかのよう。
対外的に自分を優位に見せようとするアイク。マーティの恋も束の間。
彼の人生も尊厳も財産も侵食され始めている。
気色悪いエピソードだった。

◆ 第5話
“思い出の木”
自分勝手な都合を押し付けながらも得意の話術でマーティを操るアイク。マーティは妹や両親との思い出が詰まった桜の木を切ることを強いられる。
強引さが目立ってきたアイクだが、マーティは信頼しきっている。暗闇に陥る未来しか見えない。

◆ 第6話
“パーティー”
アイクにセラピーの一環だと良いように言いくるめられるマーティ。ここまで度が過ぎた詐欺行為は許されざる…と言いたいが、マーティはアイクにすべてを捧げてしまっている。
この胡散臭さと怪しさを醸し出せるポール・ラッドはいい俳優だ。

◆ 第7話
“突破口”
ついにマーティがキレた!
ヘルニアで入院しても面会にすら来ないアイク。マーティの別荘に向かえばアイクは相変わらずパーティ三昧。大切な鯉も死亡。信じていたものに裏切られマーティは心がズタボロに。
経営者としての決断。素晴らしいぞ!

◆ 第8話
“評決”
アイクとの訣別を決断したマーティ。彼は失った後悔と向き合うことに。
特に妹フィリスやその家族との別れは尾を引く。おそらくアイクとの交流でプラスに働いたものもあるだろう。しかし身近な家族の大切さを再認識するきっかけになる最終話。
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