はる

ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル シーズン2のはるのレビュー・感想・評価

5.0
一筋縄ではいかないラブコメを求めるあなたに。

シーズン1はハワイでしたが今回はシチリアを舞台によりスケールアップしたブラックコメディミステリーが展開されます。シーズン1と物語的に直接繋がりはないですが、ジェニファー・クーリッジ演じるタニアは再び登場します。

シーズン1では基本的にホテル内のみで物語が展開されてのに対して、今回はホテルの外へもどんどん飛び出して行きますし、宿泊客であるメインキャラクター以外にも娼婦や大富豪一族などのキャラクターが掻き乱し、複雑で重層的な物語になっています。

今回唯一シーズン1から引き続き登場するジェニファー・クーリッジはもはやマスコットキャラクターのような立ち位置になっており、特に前半はふざけ倒して笑わせてくれました。親子三世代で故郷を訪ねた祖父、父、息子の3人のエピソードも面白くピュアすぎる故に娼婦に入れ込んでしまう息子と浮気癖のあるセックス依存症の父親が同じ娼婦に翻弄されている様子はスリリングでした。今回一番の勝者はあの娼婦二人組みですよね。そして個人的に一番面白かったのはお互い絶対に嘘をつかない夫婦と欺瞞に塗れた夫婦の対比。ドラマを一通り観終わると一体どっちのほうが幸せなのか分からなくなってしまいますよね。

後半はシリアスで不穏なクライムサスペンスばりの雰囲気も醸し出すのも良かったですし、白人富裕層への皮肉に収まらず、家父長制や階級社会の搾取構造、愛の形の多様性など様々なテーマを取り上げているのも続編として分かりやすくパワーアップしていて素晴らしいと思いました。
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