真田ピロシキ

チア☆ダンの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

チア☆ダン(2018年製作のドラマ)
3.6
実写ゆるキャンから犬子の箭内夢菜と斎藤の志田彩良が出てるので見たドラマ。同じようにゆるキャン繋がりで見た原作に当たる映画よりもずっと良い。映画のダメなところを逐一潰したと言うべきか。

映画では顧問は自分の無謀な夢を押し付けるばかりで生徒とコミュニケーションが取れてるとは全く思えずこの時点で冷めてたが、本作のオダギリジョー演じるタロー先生は過去に熱血指導を押し付けてしまったが故に生徒を潰してしまい、それで他の生徒に責め立てられて鬱になるバックボーンを抱えていて、そんな先生が次第に成り行きで引き受けた顧問で生徒と共に過去を乗り越えて成長していくのは映画とは比べ物にならない充足感がある。

また映画では発足間もないチアダンス部の低レベルさに呆れ果てて早々に見切りをつけた生徒がいたが、本作では元々チアリーダー部に所属していながらチアダンス部に移った主人公若葉(土屋太鳳)に怒って様々な嫌がらせをしていたチアリーダー部と学祭で競って、悪天候のためにチアリーダー部は晴れ舞台を逃すのだが、そこでそれで喜ぶのは「それはチアスピリットやない」と言って舞台を譲り和解を果たすその姿勢に感動。そうだよ!努力してる人なら袂を分かっても応援するべきで、映画のように最後でついていかなかった人間にざまあ見さらせという風に描くのは間違ってるんだよ。そこまでしたチアリーダー部がチアダンス部に吸収されるのは解せなかったが、それでもこの展開は良かった。それと映画で何でこんなのを無批判に描いてるのか理解できなかった恋愛禁止ルールもそこはかとなく無視してて好感が持てる。

あと目標である映画の主人公チームJETSの気のいいライバルさよ。決して侮らない相手へのリスペクトを欠かさないスポ根の気持ち良さと言ったら。そこまで描写が深いわけでもないのにこれほど大きな印象を与えられたJETSが果たした役割は大きい。主人公チームROCKETSは委員長とマキと妙子がお気に入りでした。委員長のお父さんである臨時顧問を引き受けた教頭先生は娘と生徒思いで良いキャラしてたが、今性暴力で揺れてる木下ほうかなんだよなぁ…時期が悪かったわ。でも女子高生ドラマでもオッサンくさいいやらしさを感じさせなくて良いです。