HBOでの高視聴率、エミー賞のリミテッドシリーズ部門における評価、(特に中年女性達の)共感度の高さ、が納得できるドラマだった。ミステリーとしての見応えも充分。
やはり、私は最終話で泣いてしまった。犯人探しやそのプロセスより、全てが明らかになった後、この事件の顛末(一体何が起きたのか?背景は何なのか?などの本質的な意味)について、考えずにはいられなかった。
本作がクライムというジャンルであり、メアが刑事という設定であることの必然性も理解できた。何が正しいかなんて分からないから、社会的に合法か否かを一つの拠り所として、問いかけが行われたのだと思う。エリンの件も、殺人に発展しなければ、それで良かったのだろうか。
これらをリアルに感じさせるのは、間違いなくケイト・ウィンスレットの存在だった。そして、家族の問題については、最終回のレストランで、親子孫3代で交わされた会話が、全てを昇華させるシーンだったと思う。
セリフにすると簡単に見えるけど、あれを自分自身が認めて自分を許すこと。それを言葉に出して相手に伝えること/そして相手から伝えられること。が、出来ずに苦しんでいる人が多いと思う。グランマ役のジーン・スマートが、自他の解放を体現し、ドラマに深みと魅力を与えていた。