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息をひそめてのsonozyのレビュー・感想・評価

息をひそめて(2021年製作のドラマ)
4.0
中川龍太郎監督による、2020年コロナ禍を生きた多摩川沿いの街で生活する人々の物語。
「息をひそめて、前を向く」をテーマに、8編のオムニバスドラマ。
撮影監督はCM/MV中心に活躍する上野千蔵氏。
多摩川が身近なこともあり、ロケ地にも親近感。
いずれも出演者の自然な演技、詩情豊かな映像が沁みる良作でした。

第1話「人も場所も全ては無くなる」
仕事を辞め、祖父が遺した小さな食堂「ますだや」受け継ぐことにする妃登美(夏帆)は、コロナ禍で客が減り店を閉めることを決めるが、常連となった高校の合唱部の顧問 水谷(斎藤工)はまた来ますと語る。

第2話「帰りたい場所が、ずっとなかった」
コロナ禍で農大の寮仲間のほとんどが実家に帰る中、寮に残る七海(石井杏奈)は河原で、自分の居場所がないという14歳の少女 涼音(長澤樹)と出会う。

第3話「君が去って、世界は様変わりした」
高校中退 24歳の心平(村上虹郎)はゴミ収集業をしながら古いアパート暮らし。3年付き合った琴波(横田真悠)にふられどん底に。マッチングアプリで自称32歳の妃美(安達祐実)と出会う。

第4話「この町のことが好きじゃなかった」
母を亡くした夕河(蒔田彩珠)は父(光石研)とふたり暮らし。金沢の美大に入学するがコロナ禍で授業開始が延期され、地元でUber Eatsの配達員を始める。

第5話「たまに遠く感じる、君のことが」(夫目線)
第6話「あなたの速さについていけないことがある」(妻目線)
この2話は、30代の夫婦、十和田淳(三浦貴大)と皐月(瀧内公美)の物語をそれぞれの視点から。リモート生活で自宅で過ごすようになった二人の心のすれ違い。

第7話「誰のために歌うの?」
水谷先生(斎藤工)が顧問の合唱部に所属する高校3年 珠美(小川未祐)は「何のために歌うのか?」との問いに答えが出ていない。コロナ禍で合唱コンクールの中止が告げられ、悲しみに包まれる。

第8話「この窓から見える景色が、僕の世界だ」
水谷(斎藤工)は妃登美(夏帆)の常連としていい関係が続いている。コロナ禍の終焉の兆しが見え、日常を取り戻し始める中、水谷は自身の悩みを断ち切るように動き出す。
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