ねまる

IT’S A SIN 哀しみの天使たちのねまるのネタバレレビュー・内容・結末

IT’S A SIN 哀しみの天使たち(2021年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

1980年代、まだまだゲイが差別対象だったころ、エイズがエイズという病気として認知されていなかった頃、ゲイの若者が恐怖の世界でも生を謳歌した話。

あまりにも1話から感動が止まらないので、1話ずつ書く。

1話

1話ラストで、主要キャラが10年後の夢を語るシーンと並行して、コリンの先輩ゲイのヘンリーが当時の謎の病気で病院で孤独死するシーンが流れる。
彼らが突き進む光と付き纏う闇を予感させる。
1話の中にも彼らが決めることへの希望と、周りが与える悪い予感が漂う。
ニール・パトリック・ハリスは英国紳士ではないけれど、これは本当に完璧なキャスティングだった。

2話

ゲイへの差別が酷かったころに、ゲイだけがかかる病気だなんて噂を聞いたら、そんなの嘘だと思うよね。なんで、ゲイだけ?そうさせないための戯言では、って知識が無かったらそう思うよね。
大天使ジルさまが、リッチーに少しは控えないの?って聞いた時、リッチーに君まで洗脳されたって言われて、「私の考えよ」って言えるところ大好き過ぎた。たとえ仲良くつるんでようが、相手の考えを否定することは出来ない。

3話

コリンの病院での処遇を聞いた途端、預金もって弁護士のところに向かうジルさまカッコ良すぎる。寄り添うだけじゃなく、戦うもある。ジルさまのようにはなれないけど、人が人にどう優しく出来るのかお手本になるんだ。
彼らの母親たちの愛も泣ける。じわじわと迫る恐怖を感じるから、ラ♪という合言葉すら、むしろそれが切なく感じる。
号泣。

4話
頭の良いリッチー、頭の回転が早くて、自分の頭で考えることの出来る子。でも賢くない。頭がいい人ほど間違える。
同じ差別を受けているからと言って、仲間だからと言って、同じ主義主張ではないというのも面白かった。
オリー・アレクサンダーの表情がいちいち泣ける。不治の病だと言われたら、誰に何を言うか。それを誰に1番初めに言うか。
デモのシーンも美しかった。
「僕は生きる」号泣。
特別出演:ダーレク

5話
自分を恥じて死んでいくなんて、そんな、そんな辛いことがあるか。そんな悲しいことがあるか。
このドラマのタイトルはIt's a sin、つまり罪なんだ。僕は何人殺した?
口の悪いパパの、病気だと思った時の、俺が治してやるは、なんだろうなジルやアッシュの愛とはまた違うんだよな。親の愛。母親の男の子への愛はまたちがって一方的で見たいようにしか見ないけど、歪んで強い愛。
Kate BushのRunning up that hillはストレンジャーシングスであまりに有名になったけど、こちらのシーンも泣ける。
もう泣いてしかいない。涙の堰が限界だった。
HIVで死ぬことを自業自得だと思う人が多いのは、家庭の羞恥心に育てられたものだとジルは指摘した。多分その通り。
それでもリッチーは母親に、自分は楽しんだのだと伝えてる。それは、ちょっとは、自分の人生に満足していたと思うんだ。希望だと思いたいんだ。

La♪
ねまる

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